食物繊維の効果効能を歴史から学ぶ!食べれば心も体も医者いらず!

食物繊維】と聞いて、みなさん何を思い浮かべますか?「とりあえず野菜に入っているもの」「食べないと便秘になる」ぐらいにしか思っていない方がほとんどかと思います。ですが!食物繊維の効果は、それだけじゃないんです。

僕の地元の後輩で、すごく肌荒れに悩んでいる子がいました。化粧で隠れない乾燥肌に酷いニキビ、肌荒れ度合いに比例して悪くなる顔色、しかも昔より怒りっぽくなったような?なにかとんでもないストレスを抱えているんじゃないかと、兄貴分のつもりの僕はとても心配でした。

ところが、先日久しぶりに会った後輩はツルツルピカピカのお肌に。顔色もいいし、久しぶりにはつらつとした姿を見たなと思いました。そんな後輩が、僕に一言。

後輩

何か言うことない?

(突っ込んで欲しいのか…)

ニキビがなくなったね。あとは…きれいになった?

後輩

でしょ?【食物繊維】をしっかり摂るようにしたの。

そう、食べるもので身体はずいぶんと変わるのです。

僕が今思いつくだけでも、【食物繊維】にはこれだけの効果があります。

  • 痩せる
  • 肌がきれいになる
  • 免疫力が上がる
  • アレルギー症状を緩和する
  • イライラしたり落ち込むことが減る
  • 便秘解消
  • 糖尿病など生活習慣病の予防
  • がん予防

後輩がきれいになった理由、僕はもうわかりました。食物繊維=便秘解消としか思っていなかった方、どういうことかちょっと気になってきませんか?これを読めば、今すぐ食物繊維を摂ろうと思えるようになるはずです!

食物繊維の歴史

「え、いきなり歴史から入っちゃうの?」と言う方は、次の項目にスキップしてくださいね。でも、これを読めば「なるほど」と思うはずです。日本の歴史でよく耳にする、織田信長や坂本龍馬、1万円札の福沢諭吉など、この日本にも歴史があるように、食物繊維にも歴史があります。

古代ギリシャ

食物繊維の歴史は、古代ギリシャにさかのぼります。いつのことかというと約5,000年前です。5,000年も前から古代ギリシャの人々は、食物繊維が腸内環境を良くして、便秘を予防してくれると知っていたのです。

ギリシャ人

だが、生きていくためには、少量で栄養が摂れる高カロリーなものの方が大事でな。

  • エネルギーにならない。
  • 必要な栄養素まで消化吸収されにくくする。

こういう特徴もある食物繊維は、だんだん【食べ物のカス】という認識になっていったんだ。

食物繊維が多く含まれていると、シャキシャキとした食感がありますよね。 古代ギリシャの人々はあの食感が苦手だったらしく、好みにあわせて柔らかくしたり、食感をよくしてみたりと工夫して食べてきたそうです。

第二次世界大戦終了後、日本に来たアメリカ軍人がごぼうを見て、「日本人は木の根を食べているのか?!oh my God!」と言った話があるように、外国人はあの食感が苦手な人が多いのかもしれませんね。

こうした古代ギリシャからの根本があったからこそ、健康に関心がある人たちによって研究され、食物繊維は現在第6の栄養素として、私たちの食生活に取り入れられているんです。

我々が【食物繊維】だ~!!

そういえば、どうして食物繊維を食べようと思ったの?

後輩

あのころの私の悩みが、食物繊維を食べれば全部治るって聞いてね!

一番の悩みはやっぱり肌荒れ!それに便秘とイライラ。どんどん仕事が上手くいかなくなって、余計落ち込んだしね。ストレス抱えてるんだなぁって、みんな思ってたみたい。

実は僕もそう思ってたよ。

食物繊維は第6の栄養素っていうくらい、身体にとって欠かせない栄養素だからね。糖質・脂質・タンパク質・ミネラル・ビタミンの5大栄養素と同じく、1日の必要量はしっかり摂らないと。

後輩

身体に必要なんだって、身をもって感じたよ~。

食物繊維を調べてたら、どうして【食べ物のカス】から第6の栄養素にまで格上げされたか知ったんだけど、先輩知ってる?

1930年代: 風邪や病気を予防し、健康で長生きをする秘訣だと発見

コーンフレークの生みの親:ケロッグ博士

小麦ふすまを研究し、便秘や大腸炎に悩む人に好影響を及ぼすと発見しました。小麦ふすまとは、小麦粉を作る時に取り除かれる皮部分のことで、食物繊維が豊富なんです。

オレンジのトラが印象的なケロッグ社を営むかたわらのことだというから驚きですよね。 画像引用:Wikipedia

長寿国フンザの食を研究:マッカリソン博士

ふすまがついたままの全小麦粉パン・豆・果物などを食べていると健康長寿になると発見しました。小麦ふすま以外の食物繊維も注目されるようになってきましたよ。

病気の予防効果を研究:ウォーカー博士

心臓疾患や動脈硬化症など、心臓から全身に血液を送り込む力がなくなり、身体に様々な症状を引き起こす病気の発症率を抑える効果があると発見しました。

1953年:食物繊維という言葉が生まれた

食物繊維を生み出した:ヒップスレー医師

なんと!食物繊維(ダイエタリーファイバー)と言う言葉を初めて使用した人物です。食物繊維という言葉は、この時代まで無かったのです。

今でこそ、「食物繊維、食物繊維」と言われている1つの言葉ですが、70年前までは食品名で呼んでいたんですね。

1970年代:定義が決定。大腸がんとの関係を発表【食物繊維仮説】

【食物繊維仮説】を発表:バーキット博士

食物繊維の摂取量が少ないと、大腸がん発生のリスクが高くなるということを発表しました。

白米や小麦粉のように精製された食品は、食物繊維含量が少ないです。これを食べ続けると便の量が減り、排便回数が減少します。

そして大腸の中にいる便から、ずっと発がん性物質を吸収してしまうことになると伝えました。 画像引用: FAMOUS IRISH SCIENTISTS

食物繊維を定義:トロウェル博士

  • 植物の細胞壁成分で、人間が消化できないもの
  • 消化されにくい性質をもつすべての多糖質

健康は食習慣から見直せることが分かりますね。たくさんの研究者のおかげで、私たちは食物繊維が大切だと当たり前に分かるようになったんです。そして、食物繊維を食べない生活を続けたら…。あのころの後輩の姿より、もっと恐ろしい未来が待っていますよ。

チェックリスト

「はぁ…歴史のお勉強タイムで疲れたよ」というあなた。そうではない方も、ブレイクタイムです。10個の質問に「はい」か「いいえ」でお答え下さい。

  1. 朝食はいつも食べている。
  2. 3食きちんと食べている。
  3. 間食や夜遅く食べたりしない。
  4. 食事はよく噛み、ゆっくり食べている。
  5. にんじん、ほうれんそうなどの緑黄色野菜を毎日食べている。
  6. きゅうり、大根などその他の野菜を毎日食べている。
  7. 肉に偏らず、魚・卵・大豆・大豆製品も食べている。
  8. 牛乳、乳製品は毎日食べている。
  9. 自分の適正体重を知っている。
  10. 体を動かすことは好きである。
後輩

「はい」が4個以下なら、きっと昔の私と同じ姿ね!

この質問で、自分がどれだけ食物繊維を摂れているかわかるわ。インフルエンザにもかからない健康優良児の先輩は、8個以上も「はい」があったって!

怖い病気が流行っているし、4個以下の人は今すぐ食生活を見直しましょ!

食物繊維とは

まず、1970年代に定義された食物繊維は、現代ではどう変化したのか確認しましょう。

食物繊維(しょくもつせんい)とは、人の消化酵素によって消化されにくい、食物に含まれている難消化性成分の総称である。その多くは植物性、藻類性、菌類性食物の細胞壁を構成する成分であるが、植物の貯蔵炭水化物の中にはグルコマンナンイヌリンの様に栄養学的には食物繊維としてふるまうものも少なくない。化学的には炭水化物のうちの多糖類であることが多い。

引用:Wikipedia

難しい言葉が多いものの、トロウェル博士が定義したものとおおよそ同じで「人の身体の中で分解されない食品 」です。そして食物繊維は、水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維に分けられます。

水溶性食物繊維

水溶性食物繊維は、粘着力があり胃腸内をゆっくり移動していきます。そのため腹持ちが良く、食べ過ぎを防いでくれます。また、大腸で分解されると、ビフィズス菌が増えて腸内環境を良くしてくれます。血圧や食後の血糖値が上がり過ぎないようにもしてくれるんですよ。

多く含む食材は、アボカド・レモン・きんかん・ごぼう・エシャロット・こんにゃく・わかめ・昆布です。

不溶性食物繊維

不溶性食物繊維は、水分を吸収して膨らみます。膨らんだ食べ物が腸を刺激して排便が促され、残った食物を身体の外に出してくれるんです。イメージとしては、増えるワカメちゃんですね(笑)。水溶性食物繊維と同様に、ビフィズス菌が増えて腸内環境を良くしてくれます。

多く含む食材は、オクラ・切り干し大根、ブロッコリー、ほうれん草、ラズベリー、きのこ類です。

バランスが大事

水溶性食物繊維は食べ過ぎると緩すぎる便になるし、不溶性食物繊維はコロコロ便にしてしまったりと、逆に悪影響を及ぼしてしまうこともあります。やみくもに食べず、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランス良く食べましょうね。

こちらの動画は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維について、分かりやすく説明してくれています。動画の方が好きな方は、一度ご覧になってみてください。

引用: 山本義徳 筋トレプログラム

食物繊維を食べなかったら…

食物繊維を食べなかったら、この先の未来はどうなるのでしょうか。

  • 太りやすい
  • ニキビや肌荒れ
  • 風邪をひきやすい
  • イライラしやすくストレスが溜まる
  • 便秘
  • 糖尿病などの生活習慣病になりやすい
  • 大腸がんになりやすい

上げたら切りがないのでこのぐらいにしますが、こんな未来が待っているかと思うと恐ろしいですよね。デブで肌が汚くて、いつもイライラしていて、常に体調が悪そう…。同性でもこんな人嫌だなと思うんだから、絶対にモテないですよね(笑)

僕の後輩が、早いうちに【食物繊維】のすごさに気づいてくれて本当に良かったです。もう少し遅かったら、恐ろしい病気に発展していたかもしれません。あなたは心当たりありませんか?そう、あなたのすぐ傍にも近寄ってきてるはずです。

食物繊維のメリット

ということで、恐怖の未来から抜け出すための第1歩。食物繊維を摂るメリットをご紹介しますね。

  1. 痩せる
  2. 肌がきれいになる
  3. 免疫力が上がる
  4. ストレスを感じにくくなる
  5. スムーズな排便で便秘が解消される
  6. 生活習慣病を予防する
  7. がんになるリスクを低下させる

それでは、一つ一つ説明していきます。

痩せる

水溶性食物繊維は腹持ちが良く、不溶性食物繊維は噛み応えがあって食べすぎを防いでくれます。

水溶性食物繊維は、体内で水と混ざると溶ける性質があります。溶けた食物繊維はゲル状になり、かさ増しされた状態でゆっくりと消化管の中を移動するため、便になるまでがゆっくりです。だから、長時間満腹感が得られるようになるんですね。

不溶性食物繊維は、とにかく噛まないと食べられません。しっかり噛むことによって、食事に時間がかかり、満福中枢が刺激されて「そんなに食べてないけどお腹いっぱいだな」と感じるようになります。

きれいになるし心も体も元気になる

腸の中で作られていた有害物質が減って、不安や焦りを感じにくくする「セロトニン」や、アレルギーを抑える免疫物質がたくさん作られるようになります。

②~④をまとめちゃいました(笑)。ニキビができる原因の1つが、腸の中の有害物質です!血液にのって顔にニキビを作るなんて、腸って超すごくないですか?さらに、私たちの体を守る免疫の60%は腸で作らています。

しかもアレルギーを抑える免疫は、水溶性食物繊維をエサにする菌によって作られます。花粉が飛ぶ時期は絶対に食べたいですね。

「セロトニン」はちまたでは幸せホルモンと呼ばれているものです。ココアを飲んでホッとするのもセロトニンの効果ですよ。不足するとうつやストレス障害になるという「セロトニン」、脳で作られているかと思いきや、80%が腸で作られているんです!

スムーズな排便で便秘が解消される

水溶性食物繊維は便を柔らかく、不溶性食物繊維はかさを増やして排便しやすくしてくれます。

この話は何度もしましたね。ほどほどにしておきます(笑)。食物繊維の中でも、グルコマンナンという水溶性食物繊維がすごいので紹介しますね。

グルコマンナンは、水に溶けると膨らんで増えるという性質があるんです。しかも、食物繊維だから消化されずにそのまま腸へ行き、腸をやんわりと刺激して排便を促してくれます。

このグルコマンナン、何者かと言うと「こんにゃく畑でフルーツと~れ~た~♪」でおなじみ、こんにゃくの主成分です。グルコマンナンだけで、食物繊維のいいとこどりができちゃうくらいすごいんですよ。

生活習慣病を予防する

日本人の死因トップ3の「がん」「脳の血管の疾患」「心臓疾患」は、生活習慣病と言われる動脈硬化・糖尿病・高血圧・脂質異常症が原因とされています。ですが食物繊維を食べるだけで、なんと!ほとんどの生活習慣病を予防することができるんです!

コレステロールを抑える

動脈硬化の原因になる、コレステロールや胆汁酸を吸着して排出してくれます。

コレステロールが正常値より増えてしまうと、血管の中にコレステロールの壁が出来て、心臓から全身に血液を送り込む動脈が硬くなります。これが動脈硬化症です。コレステロールの壁で血がつまりやすくなると、心筋梗塞脳卒中も起こりやすくなります。

血圧を下げる

高血圧の原因になる、ナトリウムを包んで排出してくれます。

水溶性食物繊維に含まれるアルギン酸がキーポイントです。アルギン酸は、カリウムなどのミネラルと結びついていて、胃液に触れるとカリウムを放し、小腸でナトリウムと結びつきます。そしてそのまま便として排出されるんです。

胃の中でアルギン酸から離れたカリウムは、血液中のナトリウムを吸着して追い出す働きもあります。この2つの働きによって、血圧の上昇を抑えてくれます。高血圧も動脈硬化の原因ですし、脳梗塞や心筋梗塞が起こりやすくなります。

血糖値の上昇を緩やかにする

糖質の吸収が緩やかになり、血糖値を下げるインスリンというホルモンが節約されるため、糖尿病の予防に効果があります。

僕の友人に20代の独身の頃、糖尿病と診断された方がいます。彼は、肉屋で朝から晩まで働き、よく「俺は家畜だ(笑)」と言っていました。お酒は苦手でビールは飲みませんが、かわりに甘い物やポテチなどが大好物の友人。ある日、「糖尿病になった」と打ち明けられました。

このように、20代のうちから糖尿病になる人もいるんです。そして今、彼は食生活や仕事環境を見直し、体型も程よく落ち着いて、良い家庭を築いています。

糖尿病について詳しく書いてある記事は、こちら。

がんになるリスクを低下させる

腸の中の悪玉菌を減らして発がん性物質や有害物質が作られないようにし、吸収される前にスピーディーに身体の外に排出します。

日本人は食物繊維が豊富な和食中心の生活のおかげか、腸が外国人よりも長いと言われています。そのため、発がん性物質を含む便をスピーディーに出さないと、どんどんどんどん吸収されてしまい、大腸がんになるリスクが高いそうです。

外国から入ってきた食文化はタンパク質や脂質が豊富で、悪玉菌の大好物でもあります。しかも50年前の日本人は1日あたり27gの食物繊維を摂っていたのに、現在は1日14gしか摂れていないんだとか。これじゃあ病気になるのも納得ですよね。

腸についてもっと知ってもらいたいので、ここで出てきた善玉菌・悪玉菌について、簡単に説明しますね。

善玉菌(割合20%)

善玉菌は食物繊維をエサにして増殖し、糖分や食物繊維を発酵させて乳酸や酢酸などを作り出します。善玉菌が作った酸で腸内が弱酸性になると、悪玉菌は増えることができなくなります。身体の中に、上の善ちゃんがいっぱいいたら嬉しいですよね(笑)

悪玉菌(割合10%)

悪玉菌はタンパク質や脂質をエサにして増殖し、身体にとって有害な物質を作り出します。アルカリ性の環境を好むため、酸性が好きな善玉菌とは仲良くできません。悪いイメージの多い悪玉菌でも、タンパク質を分解して便として排泄するという、とっても大事な働きをしています。

日和見菌(割合70%)

日和見菌は、腸の中で多い菌に味方をする1番やっかいなやつです。善玉菌が多ければ何の悪さもしませんが、悪玉菌が増えると悪玉菌の仲間になります。こちらのひよちゃんも、「私はマイペースなの。善ちゃんとも悪くんとも仲良くするんだ」って言ってますよね(笑)

善玉菌・悪玉菌・日和見菌については、こちらの記事も参考に。

まとめ

  • 食物繊維の効果は古代ギリシャから知られていて、その後の研究で第6の栄養素にまで格上げされた。
  • 食物繊維を食べないと「デブで肌が汚くていつもイライラして病気がちな人」になるかも。
  • そしてもっと恐ろしい未来が待っている。
  • 食物繊維は現代人の悩みの「アレルギー」や日常での「ストレス」にも好影響。
  • 食物繊維を摂ると心も体も元気になれる!だから積極的に食物繊維を摂ろう!

食物繊維を食べることで、たくさんのメリットがあります。そう、食物繊維を摂り食生活にほんの少し目を向けるだけで、あなたの未来は大きく変わります。自分自身のため、身近な方々のため、今日から食物繊維を食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

後輩

先輩は昔から健康よね。どうやって食物繊維摂ってるの?

「奥さんのご飯が良いからだよ~」とかおのろけ発言はいらないから。

このブログを見てもらえばわかるように、重度の食物繊維オタクだからじゃない?

ダイエットだって、食物繊維でなんとかしたくらいだからね。気になるなら見てってよ。

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