食物繊維の力を借りて!沈黙の臓器、すい臓がんに立ち向かう

昔、朝食をとる際にいつも、両親がパンの焦げた部分をナイフで全て削ってくれていました。どうして?と聞くと、「焦げたところを食べると、がんになっちゃうんだよ」と諭すように言われたことを覚えています。

本記事を読んでいただいても、完全にがんを予防するなんてもちろん不可能です。そんな容易なことは言えません。ですが、日本人の死亡原因第一位ががんですし、その知識があるに越したことはないと僕は思います。

大人になり、僕はあのときの両親の気持ちがわかるようになりました。焦げた部分を削ってあげるように、それ以上に知識を身に着け実践していくことで、自分自身や大切な人たちを、少しでも守れたらと切に思っています。

地味だけど頑張るすい臓の働き

すい臓は胃の後ろにある小さな臓器です。お手元のiphoneを一回り大きくしたくらいの大きさです。

主な働きは二つあり、一つ目は膵液の分泌をして十二指腸に送り出すことです。この膵液には消化酵素が含まれていて、食べ物の消化を助けます。

もう一つは血液中の糖分を調節です。すい臓は、インスリンなどのホルモンを分泌します。これはすい臓の中のランゲルハンス島という細胞で作られます。細胞なのに、島なんて名前がついていて、語感が面白くて覚えやすいですよね。

すい臓がんとは

すい臓がんと聞いてピンとくる人は、あんまりいないのではないでしょうか。昨年、大女優の八千草薫さんが罹患を公表したことで知られた病気です。

すい臓がんの発見は、臓器や血液にぐるりと囲まれているため大変難しいです。初期症状もほとんどなく、すい臓がんの約4割がステージ4(がんが進行し、リンパ節転移もある状態)で発見されています。

進行してくると、腹痛や食欲不振、眼球の黄疸や体重減少、糖尿病の発症と増悪(悪化していくこと)、腰や背中の痛みなどが出てきます。また、すい臓がんの9割が、すい臓の中を茎のように通るすい管から発生する「すい管がん」です。

傾向としては、喫煙者や肥満者、女性よりは男性に多い病気です。また、血糖値と深い結びつきがあり、長年糖尿病を患っている人にも罹患率が高いです。

「がんがあっても手術でとっちゃえばいいじゃん」とお思いかもしれませんが、すい臓は血流が多く、がん細胞が血流にのって、別の臓器まで流れ込んでしまいがちです。

目に見えるがん細胞だけ摘出しても、目に見えないサイズのがんが無数に存在している可能性が非常に高いのです。ですので、たとえ手術が成功したとしても、別の場所で再発というパターンが非常に多い、そんな病気です。

すい臓がんと食生活

すい臓がんと食事

食事とすい臓がんの関連性はまだ不透明なところが多いです。これからの研究に期待が寄せられるところです。

加工肉(ハムやウインナーなど)の多い食事は、発症リスクを増大させるといわれています。脂肪分を多く含むものは消化に時間がかかり、体内に長くとどまるので、すい臓に負担をかけてしまいます。内臓脂肪が要因となり、すい臓がんになる可能性も高いです。調理法は、油を使わない、生・煮る・蒸す・ゆでる方法が好ましいです。

いろいろな種類の食材を食べて栄養をつけ、細胞を再生化させ、体力をつけることが予防にはとても効果的です。口内でよく噛んですりつぶすことも、内臓の負担を軽減させます。

すい臓がんと食物繊維

唱えられている一説として、食物繊維は、インスリン抵抗性に有用な効果があります。インスリンの働きがおかしくなると、すい臓は血液中のインスリン濃度をあげます。結果として、糖尿病やすい臓がんを引き起こすのです。

食物繊維をたくさんとることにより、血糖値の上昇をコントロールしたり、内臓同士間の食物の移動時間をゆっくりなスピードにしたりして、食事中の満腹感をあげます。そのように作用することで、インスリンの濃度を一定に保ちます。

果物や野菜など食物繊維の多く摂れる食事は、発症リスクを低下させるとされています。特に果物に含まれる食物繊維が効果的なようです。 食物繊維は、体内で消化されず排便されるので、そのときに発がん物質をくっつけて、一緒に体外へ出してくれます。内臓脂肪を増やさないためにも、食物繊維は有効です。

おすすめのレシピを下記に紹介します。

レシピ引用:cookpad
レシピ引用:cookpad

まとめ

  • すい臓の働きは、食べ物の消化と血糖値のコントロール
  • すい臓は沈黙の臓器で、すい臓がんは発見が難しい
  • がん細胞が摘出できたとしても、分散している可能性が高い
  • 脂肪分を多く含むものはすい臓に負担大なので避けるべし
  • 食物繊維が効果的、とくにフルーツをたくさん食べよう
  • 様々な食材を好き嫌いせず摂取しよう

いつ誰がかかるかわからないがん。特にすい臓は、普段意識することも少ない分、対策もおろそかになりがちです。僕はこの勉強をしてから、職場の人や友人たち、家族に「すい臓がん予防にはたくさんの果物がいいよ」と教えて、差し入れやお土産は果物を選ぶことが多くなりました。

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管理栄養士で主に食物繊維に関して記事を作成していきます。動画では結構栄養に関して色々動画作って解説していきます。 僕は老人ホームや保育園給食などで勤務してました、料理もできます。商社に勤務もやっていたので、食品の調理から開発、品質管理、流通、販売まで幅広く網羅しています。 動画やブログでは知らない人に向けて簡単な内容で書くように心がけていますので、より詳しく知りたいと思った方にはメルマガにて配信しています。