知らないでは済まない?!｢副業｣における源泉徴収票の落とし穴

最近では、政府が推進する「働き方改革」により、副業を解禁する会社も増えてきました。それに伴い、サラリーマンとして会社で働きながら副業をする人が増えてきています。

そんな僕も去年から副業を始めて本業以外の収入を上げようと日々努力している一人です。そこで、今回は副業を始めたいと考えているサラリーマンの方、必見です。必ず知っておきたい、給与・副業の報酬に関する「源泉徴収票」について解説したいと思います。

源泉徴収票って何!?

会社は、毎月の給料などから税金を差し引いて、みなさんのかわりに税金として納めています。個人の所得に対してかかる税金を「所得税」と言い、所得税は所得が多ければ多いほど課税額が大きくなる超累進課税制度をとっています。

そして、所得税は本来、サラリーマンが税務署に支払うものですが、給料から差し引く形で、会社が代わりに「源泉徴収」をしています。その金額が記載された書類を「源泉徴収票」と言います。そもそも、所得税は１年間の収入に対してかかる税金です。

でも、その年の収入は12月31日にならないとわからないですよね。だからといって、年末に１年分の税金をまとめて払うのはめんどくさいです。そのため、毎月その収入金額から概算で出した所得税を天引きしておく必要があるのです。あくまで概算による税金の前払いのため、後で清算をする必要がある。

参考:所得税のしくみ/国税庁

毎月、天引きした所得税と本来徴収すべき所得税の一年間の総額を再計算し、源泉徴収した合計額とあらためて比較する。これが年末調整です。そして、余分に源泉徴収をしていた場合は、その差額を還付されるという仕組みなんです。

聞き慣れない用語も多く、見方が難しいイメージのある源泉徴収票ですが、大事な「収入」や「所得」を確認するために、見るべきポイントは4つ。1つずつ見ていきましょう。

いわゆるサラリーマンの「年収」のことです。基本給だけでなく、残業代やボーナスなど会社から支払われた合計金額が記載されています。

先程の支払金額から「給与所得控除額」を引いた金額です。給与所得控除は自営業でいう必要経費のことで、収入に応じて一定額を課税の対象から差し引いて（控除して）くれるものです。給与所得控除額は、支払金額に応じた金額が国税庁によって決められています。

「社会保険料控除」、「生命保険料控除」、「基礎控除」などが「所得控除の合計額」として記載されています。

その年に納めた所得税の金額です。所得税率は課税される所得額によって異なりますが、源泉徴収票には記載がありません。所得控除や所得税率については、国税庁から出されている情報などを参照することをおすすめします。

原則、サラリーマンの場合は、給与支払い時に源泉徴収されていますので、年末調整を受けていれば、確定申告をする必要はありません。理由は、会社が収入から税金を天引きし、年末調整で過不足の清算までしてくれているからです。

便利ですね。でも、サラリーマンでも確定申告をする必要がある場合がありますので、詳しくはこちらをご覧ください。

参考:【副業初心者必見!】副業でいくらまで稼ぐと確定申告が必要？

副業は収入から経費を差し引いて20万円あるかないかがポイントです。収入から経費を差し引いて20万円以下であれば、原則として確定申告は不要とされています。

しかし、都道府県や市町村に納付する住民税は、副業で所得を得たことを届け出なければなりません。これについては、みなさんが住んでいる市町村に問い合わせてみてください。

年間20万円を超える所得があった場合は、確定申告が必要です。そして、副業分は自分で確定申告をしなければなりませんので、より詳しく知りたい方はこちらをおすすめします。

参考:副業する人必見!住民税も確定申告も、あなたのお悩み、まるっと解説

確定申告をしないと「無申告加算税」という罰金を課せられます。もともと納付すべき税額に加え、50万円までは15％、50万円を超える部分は20％の割合を乗じて計算した金額となります。税務署から指摘されないようきちんと確定申告をしましょう。

副業での収入が20万円を超えると必ず確定申告を行い、源泉徴収税を支払う必要があります。

様々な働き方が推進されている今、副業で得た収入を正しく、損することなく確定申告するようにしましょう。みなさん、正しい仕組みを理解して安全に副業を始めて、充実した楽しい日々を過ごしてみませんか。

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