ダイエッターの方でこんな悩みはあるあるですよね。しっかり食べるべき時間に食べたいけどそんなにうまくはいかないもので、ダイエット中の人は夜ご飯を諦めてしまいがちです。
“夕食抜きダイエット”と言われるものもあり、すぐ痩せられると実践する人も多いようですが、空腹を長時間我慢しなければならないためストレスが溜まる原因にもなりますし、それで痩せたとしてもいずれは夕食を食べる生活に戻るのでリバウンドもしやすくなります。
せっかく我慢して痩せたのにリバウンドしてしまってはもったいないし、またダイエットしようという気も起きなくなってしまいますよね。
じゃあどうしろっていうの!すぐに確実に痩せたいの!
焦らないでください。夜遅くの夕食になってしまっても夕食を抜かないで痩せられる方法があるんです!
それが、MEC食!
MEC食とは、肉(meat)、卵(egg)、チーズ(cheese)の頭文字をとって名付けられたもので、
- 1日に、お肉200ｇ以上、卵3個以上、チーズ120ｇを食べる
- 一口で30回以上噛んでからのみ込む
この2つのルールを守れば、他には基本的にルールはなくとても簡単で始めやすい食事法なんです。
さらに、MEC食の3つの食材はどれも高タンパク低糖質なのでこれらでお腹を満たすことで余計な糖を摂取することがなく、“お腹いっぱいになるのに痩せられる”と話題の食事法なのです。
ではこのMEC食のルールは先ほど紹介した2つだけで他には基本ないといいましたが、すぐに確実に痩せたいのならMEC食にも工夫が必要です。夜ご飯がどうしても遅くなってしまうという人に向けて、MEC食で痩せるための工夫をご紹介したいと思います。
その前にまずはどうして遅い時間に夜ご飯を食べると太ってしまうのか、その仕組みを紹介していきたいと思います。
遅い時間の夜ご飯が太ると言われるのはなぜ?
ダイエットをしていてよく耳にするのは、｢20時前には夜ご飯を食べ終わるのが良い｣というものです。
実際、歌手の西野カナさんもこの方法でダイエットに成功しており、西野カナさんは18時以降にはなにも食べないということを実践して－7キロもの減量に成功しました。さらに体型維持が大変な元ミスユニバースの方も最低でも20時前には夜ご飯を食べるようにしているとのことです。
このダイエット方法は理にかなっていて、体の体質上夜になるにつれて食べたものが脂肪としてつきやすくなります。そこには“肥満遺伝子”とも言われるBMAL1(ビーマルワン)の存在が大きく関わってきます。
BMAL1とは、脂肪の合成を促進し、さらに脂肪を分解する酵素を減らしてしまう働きがあるまさに“肥満遺伝子”なのです。このBMAL1は時間によって増えたり減ったりします。
つまり、BMAL1が増えている時間にたくさん食べてしまうと脂肪がつきやすくなってしまうと言うことです。
まずはこのグラフをご覧ください。
(日本大学榛葉繁紀教授の実験データをもとに作成)
これは、BMAL1の増加割合を示したグラフです。このグラフからも分かるようにBMAL1は14時に一番少なく、2時に一番増えています。BMAL1は14時から2時にかけて増殖するので夜になればなるほどBMAL1が増え、夜遅くにご飯を食べると脂肪がつきやすく太ってしまうのです。
MEC食は夜遅くに食べてもいいってほんと?
では、ここからはMEC食の話に移っていきたいと思います。
この質問の答えですが、
ずばり!MEC食は夜遅くに食べてもいいんです!
先にも述べたように、MEC食にはお肉、卵、チーズを食べること、30回以上噛んで食べること以外はルールがないので食べても良いということになります。MEC食を作り出した渡辺信幸医師も「食べる時間はいつでもよいので夜遅くに食べても大丈夫。」と述べています。
実際にMEC食でダイエットを行い成功した人にはこのような人がいます。
夜勤勤務もある看護師として勤務しています。夜勤の日に“夜に食べたら太る”という固定観念があり我慢していましたが、MEC食は夜中も食べて良いので救われました。
(『肉・卵・チーズで人は生まれ変わる』(主婦の友社)より)
この女性はもともと100キロ以上の体重がありましたが、MEC食をはじめて1ヶ月で－9キロの減量、その後も続けたところトータルで－45キロもの減量に成功しています。
タンパク質は筋肉を作るのに必要な栄養素で、この筋肉を修復する作業は夜に行われます。寝ている間に筋肉を修復するので痩せやすい体になるということです。さらに、筋肉だけでなくコラーゲンの再生もおこなわれるため、若返り効果も期待できます。
逆に夜遅くに揚げ物や炭水化物をとってしまうと修復するのに必要な代謝酵素が働けなくなってしまいます。そのためタンパク質を多く摂取し炭水化物を必要以上に摂らないMEC食は夜遅くに食べてもよいのです。
MEC食でも遅い夕飯ではひと工夫!
MEC食は夜遅くに食べても良いと述べましたが、“さらに健康効果を高めたい”、“体重を減らしたい”というひとにはひと工夫が必要です。
ルールを守ればいつでもいくらでも食べて良いとはいうものの、だからといって何も考えずにただただ食べていては効果がうすくなってしまいます。ちょっとの工夫でより効果を高めることができるのでぜひ実践してみてください!
肉は低脂肪を選ぶ
先に述べたように、夜になるにつれてBMAL1は増えていき脂肪をためやすくします。そのため、夜遅くに食べるお肉は低脂肪のお肉をおすすめします。低脂肪のお肉は消化も早いため眠るまでの時間に消化することができます。
さらに低脂肪なお肉の代表でもある鶏胸肉は疲労回復効果があるため遅くまでの仕事で疲れ切った体を回復させてくれます。
“夜ご飯が間食”で“間食が夜ご飯”にする?
どういうこと?って感じですよね。
つまりこれは考え方を変えるということです。お腹がすいてくる4時頃にとる間食を“早めの夜ご飯”と思い、家に帰ってからの食事は“小腹を満たすための間食”と思えばよいのです。
BMAL1の値が高くなる前に夕食をとることで脂肪が付きやすくなるのを防ぎ、さらに夜遅く家に帰ってからの食事はお腹が空腹状態ではないので間食感覚で消化に良い食べ物を少しとれば我慢することなく夜遅くにたくさん食べることを防げます。
BMAL1の増加する時間を考えながら賢く食事をとっていきましょう。
MEC食なら夜食を食べてもいいの?
これは、絶対にだめではないが食べない方が良いというのが答えです。MEC食のルールには夜食を食べてはいけないというものはありませんが、ダイエットをしている人に問いたいのは
ほんとうにそれでいいの?
ということです。無理なくできるのがMEC食のよいところですが、結果を出すには多少の努力も必要です。ルールにないからいいやと自分を甘やかさず、一度ほんとうにどうしても食べたいのか考えてみてください。
さらに、夜食を食べないほうがよいというのは睡眠のことも関係してくるからです。
寝る前の飲食は睡眠の質を下げてしまいます。寝る前に食べてしまうと胃や腸はその食べ物を消化しなくてはなりません。眠っているつもりでも内臓は食べ物を消化するのに必死なので脳や体を休めることができなくなります。
体が休まないので睡眠の質が下がってしまい“なんだか寝た感じがしないなぁ”ということになってしまうのです。さらに22時～2時はより質の良い睡眠ができる睡眠のゴールデンタイムなのです。この時間寝ていることで翌朝はスッキリと目覚めることができます。
夜食を食べるなら寝る!
このことをすると太りにくく睡眠の質まで高めてくれるので夜食は本当に必要なのか考え直してみてください。
どうしても食べたくなったらこれ!
考え直しても、それでも食べたい!という人のためにMEC食に適した夜食を提案します。お腹がすきすぎて寝付けなかったら意味がないですもんね。
先ほど述べたように睡眠の質を高めるにはお腹の中に消化するものが入っていないほうが良いです。なので夜食で食べるなら消化に良い食材をとりましょう。
消化に良い食材にはこのようなものがあります。
- 煮込んでやわらかい野菜
- 脂質の少ないタンパク質(鶏胸全般、牛ヒレ肉、豚肩ロース、卵)
- 乳製品
逆に消化に悪い食材は
- 堅く繊維質が多い野菜
- 脂質の多いお肉(牛肩ロース、牛バラ肉、豚バラ肉)
- 魚
MEC食のお肉、卵、チーズはどれも消化の良い食材なので夜食に食べる食材としては優れています。しかしここで気をつけたいのが“お肉の種類”と“調理方法”です。
お肉の種類は消化に良い鶏肉、牛ヒレ肉、豚肩ロースなどを選びましょう。さらに調理方法は“煮る焼く蒸す”がおすすめです。
そこで、消化に良い食材と煮る焼く蒸すを組み合わせたどうしても夜食が食べたい人に向けたレシピとすぐ買いに行けるコンビニ商品をご紹介したいと思います。
家で作る簡単夜食レシピ
【鶏肉大根のさっぱり煮】
調理に時間がかかりがちな煮物ですが、こちらのレシピでは簡単にゆで卵をつくる裏技を使ったり先にレンチンした大根を加えることで調理時間を短くしています。大根はやわらかくなっているので消化にも良く、鶏肉との相性も抜群です。
こちらのレシピではレンコンを使用していますが、レンコンは繊維質で固めなので消化に良いとはいえません。なので鶏肉、大根、卵だけのレシピに変えたほうが消化はよく、この具材だけでもおいしくいただけます。
【絶品よだれ鶏】
このレシピの良いところはなんと言ってもレンジで調理できるということです。深夜に調理器具をだしてちゃんと料理をするのはめんどくさいですよね。このレシピならパパッと作れてなおかつ低脂肪高タンパクな鶏胸肉がおいしいタレで食べられるのでとても魅力的です。
深夜でもすぐ買いに行けるコンビニ商品
夜食を食べたいけど作るのは面倒だし深夜にスーパーは開いていないしというときに便利なのが“コンビニ”です。多くの店舗が24時間営業をしていてさらに近くにあるので夜食を買いに行くのにうってつけです。ここではコンビニで買えるおすすめの夜食メニューを紹介します。
【焼き鳥】
焼き鳥は鶏肉なので脂質が少なく調理方法も焼いているのでヘルシーです。一本でも満足できるので夜食に食べるのにおすすめです。焼き鳥の定番ももタレで比較していきましょう。
- ローソン 130円(税込み) 132kcal(脂質7.7ｇ)
- セブンイレブン 129円(税込み) 85kcal(脂質3.8ｇ)
- ファミリーマート 128円(税込み) 138kcal(脂質7.5ｇ)
セブンイレブンがカロリーも脂質も低いようにみえますが、これは一本あたりの量が他より少ないからなので、基本的にどこで買っても同じようなカロリーと脂質になります。お近くのコンビニでお買い求めください。
【おでん】
コンビニの冬の定番おでんですが、よく煮込まれているので消化に良いです。寝る前にはお腹を冷やさない方が良いのであたたかいおでんを夜食で食べてほっこりするのもよいでしょう。
- 低カロリーセット(セブンイレブン)
294円(税込み315円) 脂質3.5g
引用：セブンイレブン
セブンイレブンのおでんにはセットメニューがあります。その中でも一番ヘルシーなのがこの低カロリーセットです。野菜がんも、こんにゃく、しらたき、大根が入っています。夜食にちょうどいい量なのでセットで買うことで買いすぎや食べ過ぎを防ぎます。
このセットの他にはちくわ、大根、たまごなど5品目が入った人気セット、ごぼう巻き、ロールキャベツ、野菜さつま揚げなど4品目が入った野菜がとれるセットもありどれもヘルシーなので日によってセットを変えてみるのもいいですね。
- 和風だし香る8品目のおでん(ファミリーマート)
198円(税込み213円) 脂質7.5ｇ
引用：ファミリーマート
おでんはレジ横にあり冬しか売っていないと思われがちですが、こちらのファミリーマートのおでんはお母さん食堂の商品なので真空パックに入って一年中売っています。カロリーも500ｇで175kcalなのでヘルシーですが満足することができます。
まとめ
ここまでMEC食の夜ご飯について考察してきましたが、なるべく痩せたいのであれば
- 夜は脂肪をためやすいので遅く帰ってきて仕方ない日以外は基本的に20時までに夜ご飯を済ます
- 夜遅くに食べる場合は低脂質のお肉を選ぶ
- 遅く帰る日はBMAL1の少ない早めの時間に夕食をとり、家に帰ってからは少しつまむだけ
- 夜食はどうしても食べたいときだけ
- 夜食は消化にいいものを上手に選んで寝るまでに消化できるようにする
このことを意識してください。
MEC食は制限が少なく無理せず続けられるのがよいところですが、結果を出したいのであれば自分ができる範囲のルールを自ら作ってあげることでより効果的に痩せることができます。
辛く厳しいスパルタダイエットと緩く続けやすいMEC食ダイエットのバランスをとって自分に合ったダイエットをしてみてください。その自分なりの少しの努力と継続が自分にとって一番効率の良く結果の出せるダイエットになるでしょう。
ダイエットしてるけど仕事で遅くなって遅めの夜ご飯になっちゃう。お腹ペコペコだけど太りたくないから食べない方がいいよね･･･。もうダイエット辛いよ。