なめんなよ。女性暴走族・レディースにハンドメイドの極意を学ぶ

なめんなよ、って、、いきなり凄まれましたね。

見た目も中身もファンキーな暴走族ですが、そのファンキーさにはいろいろと趣向が凝らされています。特に構成員が女性だけ、という「レディース」には今流行りのハンドメイド要素がたくさん詰まっています。

普段はブォン、ブォブォーーン!と威勢のいい音を立てながら、いかにもロックを聴いてそうですが、ちゃんと和の精神を持ち合わせています。多分、暴走族は日本が大好きです。

そんな和心をも上手に活かしたレディースのハンドメイドには、どのようなメッセージが込められているのでしょう。

とは言え、族の皆さんは、世間にあまり好意的には受け止められていません。取り扱いには少々抵抗があります。どうか、薄目でも読んで頂ければ幸いです。

おっと、猫がいました。冒頭で凄んでいたのは、なめ猫です。

なめ猫と暴走族とハンドメイド

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なめ猫とレディースの共通点は一目瞭然、暴走族つながりです。なめ猫の正式名称は、「全日本暴猫連合 なめんなよ」です。

引用元:津田覚公式サイト

なめ猫の登場は1980年頃、暴走族の最盛期に当たります。当時、全国では800以上もの暴走族グループが確認されていたそうです。暴走族以外にも、あちらこちらに「ツッパリ」が現れました。

ツッパリファッション、ツッパリ音楽、ツッパリ漫画、とツッパリだらけです。最近のゆるゆるだらけはツッパリの反動でしょう。

そのブームになめ猫が便乗した形です。学生服を着たのは又吉です。この又吉、実は女の子です。男装をしている訳ですから、宝塚の猫バージョンです。

セーラー服の猫の表情は、ちゃんと女の子しています。ちょっと斜に構えるあたり、レディースを意識しています。演技派です。又吉はどうしたことでしょう。遠くを見つめています。

そして、服はもちろんハンドメイドです。

引用:津田覚公式サイト

もう、これはたまりませんね。チャイナ服ですよ。これを猫に着せる?かぶせる?のです。後ろにはファスナーもちゃんとついています。こんな服、売ってるはずもありませんので、手作りです。

手作りですから、色もサイズもデザインも、思うがままです。これは楽しいでしょう。至福の時です。出来上がりを又吉に着せる瞬間を思うと、ミシンの針も進みます。

着せ替え人形の実写版です。着せ替え人形と言えば、レディースとて、女の子の頃は着せ替え人形をしたはずです。ひょっとしたら、自分で洋服を作ったかもしれません。リボンだって作ったでしょう。

着せ替え人形からハンドメイドの流れになっても不思議ではありません。その後、何がどうなって女の子がレディースになったのか、知るよしもありません。いろいろ事情があるのでしょう。深入りは禁物です。

ところで、2006年、なめ猫は警視庁の「暴走族追放キャンペーン」のポスターに採用されています。なめ猫は言います。

「交通ルールをなめんなよ」「やめようぜ、危険でカッコ悪い暴走行為」

なめ猫に言われたくらいで、レディースは改心するのでしょうか。静かにトコトコ走るとは思えません。「暴猫のあんたに言われたくないわよ」と思うのではないでしょうか。

スケバン刑事もそうですが、警察当局はスケバンや暴猫など、反社会的行動を起こす者と手を組むことが珍しくありません。効果はあるのでしょうか。

いずれにしても、なめ猫とレディースは、族とハンドメイドという二つの点で共鳴し合っていることは確かです。

猫、拾ってきました
ヨロシク。

さあ、いよいよレディースにハンドメイドの極意を教えて頂きましょう。

レディースたちのハンドメイドと和の精神

引用元:ウィキペディア

ユニフォーム

レディースは、それぞれグループ固有のユニフォームを着ています。揃いの服を着ることで、自分たちの存在をアピールしつつ、グループ内の結束を高めます。

暴走族が最盛期の1980年代、特攻服や甚平を着ることが一種の文化となっていたようです。現在は、その文化も下火となり、私服のレディースも多いようですが、特攻服は健在です。

さて、その特攻服がこれです。

引用元:rakuten
引用元:rakuten

流石に本物のレディースさんにモデルになって頂くことは出来ません。画像はコスプレ用の物です。実物の特攻服はもっと気合が入っていますが、雰囲気はだいだい合ってます。

特攻服には、文字や漢字がたくさん書いてあります。

「天下無敵」「喧嘩上等」「夜露四苦」「愛羅武勇」

随分と物騒ですが、レディースは四字熟語が大好きです。更に、「愛する人の為ならば 己の命 捧げます」「咲いて散るのが 我が人生」「一途上等 女の花道」とあります。

ゴリゴリの演歌の世界です。こう見えても、根は古風なのです。

グループごとに言葉は決まっているのでしょう。集会等では、口上を唱えています。上着に口上の言葉が書かれているのでしょうか。口上の最後は、「ナントカカントカ~、ヨロシク~!」で締めます。

また、「○○連合」「○○女連」「〇〇姫」等、グループ名も背中や胸元に書かれています。しっかり漢字を使っているので、重厚感が出ます。間違っても、「SMAP」等のローマ字表記はありません。「嵐」はどこかにありそうです。

いずれにしても、オンリーワンですから、ハンドメイドと言って良いでしょう。学生時代の文化祭を思い出します。自分の信条や信念を作品(ユニフォーム)上にどのように表現するか。一字一句に思いを込めます。

当て字だろうと意味不明だろうと、表現する上で問題ではありません。ハンドメイドは、その過程が楽しく、自己満足でも良いのです。内輪だけで盛り上がっているように見えますが、それで十分です。

また、他のグループとの縄張り意識が強く、グループ間の識別という点でもユニフォームは大きな意味を成します。どちらがイカした特攻服か、ハンドメイド対決です。

ヘイヘイ!自己満上等!
漢字、読めても書けない。

バイク

引用元:ウィキペディア

暴走族が乗るバイクはほぼ違法に改造されているようです。が、レディースの場合、ナンバープレートを偽装することはあっても、バイク自体は改造されていないことの方が多いようです。

また、バイクに乗っている人はいますが、スクータータイプの原付バイクに乗っている例も珍しくありません。バイクは危険ですし、車体も大きく、お金がかかり、親も許可しない等々の理由でしょう。

バイクの色は赤、ピンク、白が多く、シールなどで装飾しています。装飾部分は花柄やヒョウ柄であったり、星やリボンのステッカーを貼る等、女性らしさが見られ、ハンドメイド感が出ます。

小物

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レディースは身に着ける小物にもこだわります。レディースの信念はファンキーです。小物ひとつで相手に威圧感を与えなければなりません。見た者の多くが、「あ、ステキ!私も欲しい!」とならない物に価値を見出します。

例えばこれです。

レディースは公衆の面前に出るときにはマスクを着用しています。

当時はバンダナを顔に巻くタイプが主流だったようです。

この頃から感染対策は完璧でした。時代の先取りです。

画像引用元:プロス通販

今時風のマスクには、鋲がついています。女子プロレスラーにも似合いそうです。次の小物を見てもそうですが、レディースとプロレスラーのイメージがどうも被っていけません。

双方ともコンセプトは「威圧」ということでよろしいでしょうか。

画像引用元:プロス通販

これはチェーンですが、骸骨、ドクロです。ドクロは死や悪をイメージさせますが、誰にでも死が訪れることから、平等という意味もあるそうです。

また、魔除けの意味もあり、身に着けていると縁起が良いという言い伝えもあります。レディースは意外と信心深いのかもしれません。

サイコロは単にアクセサリーとして一般にも人気です。

「咲いて散るのが 我が人生」「女の花道」等の信条から察するに、レディースは日頃からいかに生きるか、散るか、と哲学しているのでしょう。いざという時には、運命をサイコロに託す覚悟の現われかもしれません。

そして、菊花紋章まで出てきました。

これを身に着けるのは、常に天皇を身近に感じていたい、という理由ではないでしょう。

画像引用元:プロス通販

この紋章は憲法の原本を入れてある箱にも刻まれているそうです。これまでレディースを見てきましたが、憲法を重んじている様子はありません。鋲マスクと同様、威圧のイメージを与えるためのようです。

ですが、菊紋は、特攻服の背中、グループの旗、バイクのステッカー等、至る所に登場します。暴走族のシンボルと勘違いされかねません。

日本にしてみれば迷惑ですが、族にとっては、案外、日本イカしてるじゃん、と思ってのことでしょうか。ツンデレ、ってやつですかね。

菊紋。どっかで見たことあっぺ、思ったら、
もなかやどら焼きだ。

レディースに宿る和の精神

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レディースを見ていると、どうしても歌舞伎がチラチラ脳裏に浮かんできます。歌舞伎には本当に申し訳なく思います。

共通点は派手さと突き抜け方でしょうか。口上を述べるところも被る要因です。

レディースが歌舞伎を意識する理由は微塵もありません。が、日本の伝統は意識してます。

レディースは、先に述べたように漢字と演歌を好みます。日の丸のついた鉢巻やさらしを巻いおり、日本国旗を重んじます。そして、レディースの決めポーズの一つ、「ヤンキー座り」は、日本古来のものです。

このヤンキー座りは腰痛やむくみの解消に効果があると言われています。この座り方でストレッチをすることを医者が勧めているほどです。ヤンキー座りは決して悪いことではありません。

コンビニの駐車場で座るのはご遠慮願いたい、と地域住民が思っているだけです。

さて、そのヤンキー座りは「蹲踞(そんきょ)」の姿勢と言われています。日本では昔からしゃがむことが習慣となっていました。正座が普及する前の日本人は、「あぐら」と「そんきょ」の姿勢が普通だったそうです。

今でも、武道(剣道、相撲等)では、試合の前に礼儀としてそんきょの姿勢がとられています。武道の世界では礼儀作法としてそんきょは神聖な意味を持ちます。

そんきょ。

レディースやヤンキーがするとヤンキー座りと言われ、格が下がったような印象になります。同じことをしていても、誰がするか、によって見方が変わる一例でしょう。

いずれにしても、レディースはそんきょの姿勢をとるのが習慣となっています。日本の古来からの伝統を受け継いでいると言えましょう。

そもそも、日本人は今でも畳や床で生活しているのですから、ヤンキー座りをする機会は少なくないはずです。ヤンキー座りに恨みはありません。やはり、コンビニの駐車場は良くない、ということでしょうか。

ハンドメイドの極意

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レディースのハンドメイド要素は、その衣装や小物の独特さにあります。そして、最大のハンドメイドは、物を作るだけではなく、自分そのものをプロデュースする力でしょう。

人間ハンドメイドです。自分の好きなもの、好きなことを全身で表現し、楽しんでいます。その活動を、生活の一部に取り込んでまで表現しています。ハンドメイドの最終形態です。

おそらく、彼女たちも四六時中特攻服を着ている訳ではありません。家に帰れば、普通の女子でしょう。料理が好きだったり、アイロンかけが上手だったりするかもしれません。

ですが、レディースの時にはこれ以上ないくらいイキがっており、普通の部分は出しません。レディースとしての自分を文字通り作り上げているのでしょうが、皆、楽しんでおり、充実している様子です。

これだけのエネルギーがあり、没頭できるのですから、情熱を注ぐ方向性が残念かもしれません。暴走族は社会的問題が多く、規制も厳しくなり、昨今は形態も変化してきているようです。

現在は、かつてのレディースは殆ど見かけなくなりました。特攻服の人間ハンドメイドはもう見られないのでしょうか。

と思いきや、時代の変化の中で、形を変えて登場してきました。最近のコスプレがそうでしょう。仮装大会や何かのイベントで行う一時的なものではなく、本家オタクがするコスプレです。

彼らの本気度は違います。人間ハンドメイドはまだ当分見ることができそうです。安心しました。

絶景かな、絶景かな

まとめ

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暴走族の最盛期になめ猫が登場しました。時代はツッパッテいました。

レディースはハンドメイドでできています。漢字と四字熟語と日の丸がお気に入りです。

ヤンキー座りは古来から伝わる日本の習慣です。体に良いですが、時と場所を選びます。

現在は、コスプレがレディースの魂を受け継ぎ、人間ハンドメイドを追求しています。

ここだけの話、欽ちゃんの仮装大賞こそ究極のハンドメイドです。


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