はじまりは第二次世界大戦後のロンドンからでした。
1945年の第二次世界大戦終戦後、廃墟と化した街を自分たちで復興させる運動が始まりました。スローガンは「D.I.Y」「Do it yourself」。「何でも自分たちでやろうぜ!」です。
冒頭から胸が熱くなります。DIYにこのような歴史があったとは知りませんでした。自分の身は自分で守る、危機管理の第一歩です。今回は、その中でも自分で家具を作っちゃうぞ、の人に焦点を当てます。
DIYは「できるかな」の大人版です。ワクワクします。更に、DIY家具を売って副業にできないものか、と思案している人もいるようです。
これは危険信号です。危機管理は大丈夫なのでしょうか。DIY歴〇年で達成できるのか見当もつきません。いばらの道かもしれません。その理由をこれから説明いたしましょう。
まずは、家具作りのイロハから勉強します。
できるかな?スピンオフ。
うれるかな?
ドロン

DIY家具の作り方

DIYとは
DIYとは、お金を払って他者(業者)にやらせるのではなく、自身で(つまり自分の身体を使って)何かを作ったり、修理したり、装飾したりする活動のことである。「自分でできることは自分でやろう」という理念のもとに行う諸活動である。
ウィキペディア
DIYの始まりはロンドンとのことですが、日本でも終戦後、「日曜大工」を行う人が増えました。
当時は、雨漏りするから屋根直さねば、戸ガタガタするから取り替えねば、ポチが寒そうだから小屋こさえてやらねば、と、必要に迫られた部分が大きかったでしょう。
現在、DIYはどのような受け止められ方をしているのでしょうか。6年前になりますが、リクルートが年代別にDIYに関する調査を行っています。
その調査によると、「DIYに対するイメージは?」の問いに、「日曜大工」と答えた方が各年代とも最も多く、次に「一般向け」「インテリア」と続きます。
女性は男性に比べ「女性向き」「おしゃれ・かわいい・かっこいい」「楽しい・ワクワク」といった項目のスコアが高く出ています。逆に、男性は、「男性向き」「技術の習得が必要」「すぐにできる」「プロ顔負け」の項目が女性より高くなっています。
上記のイメージの男女差は、DIYで何をしているか、何をしたいか、という実施の場面でも違いとなって出ています。
❶壁にフックやコートハンガーを取り付ける
❷備え付けの照明器具を交換する
❸壁にテープを貼るなどしてデコレーションをする
❹壁紙を貼る・ペイントする
備え付けの照明器具の交換、とは、いわゆる電球や蛍光灯の交換のことでしょうか。これも、DIYとみなすのは少々反則のような気がします。技術の習得は特に必要なく、プロ顔負けと言われても困ります。
男女とも照明器具は上位にランクインしていますが、ここでは除外して考えます。男性は❸、❹に颯爽とアレが登場しました。これぞ、我々が求めている理想のDIYです。よくやってくれました。
女性はというと、フック、デコレーション、ペイントです。「楽しい、ワクワク」が詰まっています。この結果を見ても、生活空間に対する考え方に男女差があるようです。
また、50・60代と比べ20代では「おしゃれ・かわいい・かっこいい」「女性向き」「楽しい・ワクワク」「インテリア」「簡単」とのイメージが強い傾向にあります。
一方、50・60代は「男性向き」「技術の習得が必要」「日曜大工」などといったイメージが強く、この世代はおじいさんが雨漏り修理をするのを見ていた世代です。
年代によって「DIY」の捉え方に差は見られていますが、本題の家具作りは、やはり主に男性が取り組むべき分野なのでしょう。

う~む、ポチ小屋の天井裏は狭い
DIY流行の理由とその検証

昨今は、趣味でDIYをする人が増えてきています。DIY流行の理由は以下のようなものがあります。
1.経済的
2.オリジナリティが出せる
3.オモシロい
では、検証します。まず最初は「経済的」という点です。DIYだと費用は材料費だけなので、既製品を買うより安く済ませられるとの主張です。
とある木製テーブルの例で考えます。ニトリで杉の木を使用したテーブルが14,300円で販売されていました。大きさは120㎝×60㎝、高さ45㎝です。天板と脚の繫ぎ目には金具を使用し強度を高めています。


同サイズのものを自分で作ろうとすると、材料費はネジ等の小物も含め約6,000円でした。仕上げの塗装は費用に含めていません。
確かに半額以下の予算で済みます。後述しますが、テーブル作成は非常に手間がかかり、技術も要します。数ミリ脚の高さが違っただけでも使い勝手は悪くなります。
100均にある何らかのグッズ(防振マット等)を貼って調整する羽目になりそうです。ですが、仕上がりが購入したものと同等程度のクオリティであれば経済的と言えるでしょう。
次に、「オリジナリティ」ですが、これはバリバリ出せるでしょう。
「部屋のここに、このくらいの高さの棚みたいのが欲しいな。」「ちょっとアンティーク調で、木の節目がついてた方が雰囲気あるな。」との希望があったとしましょう。
「お、ニトリに丁度いいサイズのがあった!」とは、なかなかなりません。仮にあったとしても、丁度いいのは大抵予算オーバーです。
ここがDIYの強みとなります。自分の好みに合ったサイズ、形で作ることができます。アレンジし放題です。少々出来栄えが落ちたとしても、手塩にかけて育てた自分の子供のようなものです。愛着がわかないはずがありません。
3つ目の「オモシロい」は、その通りでしょう。無から何かを作り出す過程は楽しいのです。大昔、北京原人が初めて火を使い、道具を作ったときはさぞ楽しかったことでしょう。モノ作りは人間の基本です。
人はなぜ創作をするのか?創作の本質
人が創作をするのは、それが楽しいからです。
創作が楽しい理由とは、自分の欲しい物を生み出したいという欲求と、自分の考えを伝えたい、自分のことを知ってほしいというコミュニケーション欲求のいずれか、あるいは両方を満たせるからです。
引用元:ライトノベル作法研究所
自分で作った作品を売る、という行為は、収益を上げるという目的以外に、上記のコミュニケーション欲求を満たす行為なのかもしれません。苦労して作った作品ですから、「見て見て!」とお披露目したくなる気持ちもわかります。
DIYをしたくても、賃貸住宅だからできない、と諦める方も多いようです。ですが、最近は、賃貸住宅でも「DIY可」を売りとしたものがある程、DIYは人気で、世間のDIY欲求は強いのです。
休日の午後。鉛筆を耳に挟み、電動丸ノコを扱うパパさん。「パパかっこいい!」「頼もしいわ~」と男っぷりが上がります。勿論女性でも丸ノコの使い手はいます。ただただビビります。
先の調査での、「DIYに興味があるとする理由」は、以下のようなものです。
❶DIYを行うことが楽しい(楽しそう)ので
❷業者に頼む/既製品を買うと値段が高くつくので
❸以外に簡単(簡単そう)だったので
❹自分好みの色・デザインのものがつくれるので
❺家に合ったサイズのものがつくれるので
この調査結果からも、DIYが人気であることは疑いようがありません。
しかし、この人気の理由に異を唱える人が出てきました。
繋ぎの金具かと思いきや
拙者が隠れておる。
ぬ?物言いだと?

DIY人気の理由に異を唱える人
DIY、特に家具作りはいつでもどこでも出来ないのが難です。4畳半程度の庭もしくは作業場が確保できる方と限定されます。壁紙を張り替える程度であれば良いのですが、家具を作るとなるとスペースが必要です。
そして、作業には音がつきものです。夜間帯はできません。特に電動工具(ノコギリ、ドライバー)を使用する際の音は、控えめに言っても騒音です。
「あんた、うるさいわよ」「ご近所迷惑になるでしょ」「どこか他でやって頂戴」「木くずつけたまま部屋に入ってこないで」
前項のパパさんに対する羨望の眼差しは夢物語だったようです。時と場合によっては、ご家族から苦情が入ります。ご家族の理解、協力が必要です。
こんな意見もあります。
一品一品が特注品のようなもので、凝ったものを作ろうとすると逆に材料の単価が高くつく場合もあります。さらに新たな工具の購入なども必要となります。
このため一回限りの場合は、本職に依頼したり、大量生産品を購入したほうが安く済むことがあります。
大量生産品の購入を持ち出されては、DIYの立つ瀬がありません。DIYの目的を見失った意見です。が、投資が必要との意見には賛成です。
家具造りに必要な準備

家具作りの魂
職人とは、熟練した技術を持つ人である。職人とは、こだわりを持ち最後まで諦めない人である。
職人とは、変化を恐れず挑戦し続ける人である。職人とは、使い手を想う温かいまなざしを持つ人である。
家具づくりに携わる全ての人が”職人魂”を持つ。
引用元:大川インテリア振興センター
上記では、家具職人とは何たるかが示されています。
今、ご自宅にあるタンスはどのようなタンスでしょう?高級家具ではないかもしれませんが、職人が丹精込めて作った家具かもしれません。家具の価値は価格ではありません。
長年愛用したタンスには、子供が貼ったおまけのシールがついているかもしれません。どこで付いたかわからない染みもあります。取っ手が壊れたままです。お父さんが横着して変な開け方をしたからです。
家具には家具なりの思い出ができます。今作っている家具が、一生モノの家具になるかもしれません。まさに、「大きなのっぽの古時計」です。「使い手を想う温かいまなざし」が作った家具です。
DIYでは、腕は職人ではありませんが、気持ちは家具職人です。もう大丈夫です。家具作りの魂は注入されました。
家具作りの体の準備
本職の家具職人とはどのような人なのでしょう。家具職人になるために特に資格は必要ないそうですが、多くの職人は「家具製作技能士」という資格の取得を目指すそうです。
これは家具を製作する上で必要な、充分な知識と技術を持っている事を証明する国家資格だそうです。
DIYで家具を作るにしても、ある程度の知識は必要でしょう。デザインから素材に関する知識、工具の扱い方や簡単でもいいので家具図面が書けることは必要なようです。
家具作りを副業とする方法に関して、情報はいくつかありますが、概ね設計図の作成に触れられています。販売できるような質の高い家具を作ろうとするのであれば尚更です。
手書きの設計図でも良いのですが、細かな計算は必要で手間がかかります。最近は、コンピューターで製図が描けるソフト(CADなど)の使用が一般的なようです。ソフトを用いると簡単に図面が描ける、とありますが、これは信じ難いです。
ここでハードルがグンと上がります。フローチャートで言えば、このハードルを越えて、食らいついていける方は「YES」→副業へお進みください、「NO」→趣味としてお楽しみください、となるのでしょう。

さぁさぁさぁさぁ!
丁か半か丁か半か丁か半か!
愛すべき道具たち

ノコギリ、カナヅチ、ドライバー、ペンチ、サシガネ、メジャー、サンドペーパー、木工ボンド、など。
基本的な道具は、殆ど100均で購入できます。ある程度大きな家具(テーブル、棚等)を作る場合は、100均の道具では間に合わない場合があります。追加購入、買い替えが必要となることもあります。
電動ドリルドライバー(3500円~)、電動サンダー:電動でサンドペーパーをかける工具(3000円~)、電動丸ノコ(4000円~)など。
200円。

最近は女性でDIYをする方も増えており、道具も小型で扱いやすいものが増えています。
上記は必要最低限であり、塗装をするとなると更に道具は必要になります。材料費以外にも、道具にお金がかかります。DIYに慣れてきて、精度の高い作業をしたいとなれば、道具も質の良いものの方が快適に作業できます。
電動モノは精度が上がりますし、時間短縮もできます。騒音対策ができれば、の条件付きですが。更に値も張ってきます。電動工具は、購入前に今一度考えた方が良いでしょう。
盛り上がった気分に流されてはいけません。3か月待ちましょうか。ご自宅に、「高かったのに全然使わない物たち」があることを忘れてはいけません。買ったときの意気込みは何だったのでしょう。
3か月の間に、複数回ノコギリを使用したのであれば、ご褒美に電動ノコギリの購入を許可しましょう。長い目で見て、ひとつひとつ買い替えていくのも良いかもしれません。
実技・テーブルを作る、の前段階

木製テーブルの完成図です。
テーブルは表面的には単純そうですが、構造をみると単純ではありません。分解図のように何枚もの板を使っています。どれもこれも無駄な板はありません。すべて意味のある板です。
イメージでは、天板×1、脚×4の合計5個のパーツでいけると考えていました。全然足りません。
この図面には寸法は書いていませんが、実際に作成するとなると図面に寸法を入れ、設計図を作り、それをもとに材料の調達をします。だいたいこれくらいかな、にすると、だいたい失敗します。
木材の種類も何でも良いというわけではなさそうです。板の木目の走る方向も強度に関係してくるそうです。膨張や収縮など、狂いの生じにくい木材を選ぶ必要があるそうです。
ホームセンターの方に聞くとある程度は教えてくれるかもしれませんが、事前に勉強が必要そうです。仕上げに塗装をする場合は、塗装の勉強も必要です。
下記は設計ソフトを実際に使用し、設計図を作成する動画です。
どうでしょう。ちょっと無理そうです。迂闊に手を出せない雰囲気があります。どう考えてもプロの仕事にしか思えません。家具作りを副業にする場合は、更に手続きが必要です。
家具を販売するには?

◉ネットショップで販売する場合は、特定商取引法の表示が必要です。
◉中古の家具をリメイク後に販売する場合は、古物扱いになるので古物商許可が必要になります。
◉コンセント付き家具は、PSEマーク(電気用品安全法に基づく)の取得が必要です。
◉配送や商取引に関する知識もある程度必要です。
自作の家具を販売するとなると、いくつかの許可、申請が必要になるようです。また、販売できるレベルに仕上げるには、それ相当の数をこなす必要があるでしょう。
DIY家具の販売は、ネットの販売サイトやフリマアプリを利用するのが一般的なようです。メルカリ、minne(ミンネ)等はハンドメイドの人気マーケットです。
家具に限らず、ハンドメイドの作品は出品しても売れるとは限りません。他の出品者の方が上手で低価格で売っていますし、人気の作家さんにやはり人は集まります。価格を抑えれば当然利益が少なくなります。
家具作成のために要した時間、投資が報われない可能性が大です。覚悟、我慢が必要です。
こちらにハンドメイドの販売方法が詳しく紹介されています。とても参考になるので、是非お立ち寄りください。
まとめ

- DIYの醍醐味はその楽しさにあります
- 家具作りの魂はあなたにも宿ります
- DIY家具には、価格にはない価値があります
- テーブル作りは難しいのです
- 副業にする場合は、覚悟と我慢が必要です
- 立ちはだかる高い壁(騒音、投資、技術)を超えた時、絶景が見えます
GoTo天井裏!
ドロン

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