食物繊維不足で老後に影が?老後を元気に過ごすための秘結!

人生80年時代と言われる世の中、さらに日本人の寿命は延びて「人生100年」と言われる時代に向かおうとしています。

皆さんは平均寿命と健康寿命という言葉をご存知でしょうか。厚生労働省が出している平成30年の平均寿命は男性81.25年、女性87.32年となっています。

それでは健康寿命はというと、平成25年時点ですが男性71.19年、女性74.21年となっています。
差が10年以上ついていることになりますが、さて健康寿命とは何でしょう。

まあ、読んで字のごとくと言ったらそれまでなんですが、健康寿命は「健康上の問題で日常生活に制限されることなく生活できる期間」と言われています。

つまり平均寿命と健康寿命の差の10年は、何らかの病気で日常生活にきたした状態で生きていくことになるわけです。おっそろしい話ですよね。

僕の祖母は去年87歳でこの世を去りました。平均寿命ぴったりです、往生したなと思います。
しかし、87歳まで健康だったかというとそんなことはありません。

もともと足が悪く、週に何度も病院に通っていたようですが、心臓も悪くいろんな薬を飲んでいました。
本人は入院を嫌がったため入院期間は短かったものの、病気の期間は長かったように思います。

また、僕が老人ホームに勤めている時には、麻痺で手足が動かない、もしくは車いすで生活している方にもたくさんお会いしました。

さらに、四肢麻痺の状態で何もしゃべることも出来ず、天井を見つめ10年間寝たきり、なんて人もいます。

せっかく寿命が延びても健康でなければなんとつらい老後を送ることになるでしょう。

そこで人が健康で生きていくためには何が足りないのかということを調べると、「食物繊維」のキーワードにたどり着きました。

「食物繊維」が老後の人生をどう左右するのか、お話したいと思います。

人生を左右する病気とは?

病気はいろいろありますが、それでは人生を左右するほどの病気とは何でしょう。

それは日本4大疾病に答えがあると考えます。
4大疾病とは「がん」「心疾患」「脳卒中」「糖尿病」のことを指します。

がん

がんの中でも、ここでは最も食物繊維と関係のある「大腸がん」について語ろうと思います。

2017年のデータでは大腸がんで亡くなってしまう方はがんで亡くなる全体の男性は3位、女性はなんと1位です。男女合わせると全体の2位を占めます。

2014年のデータでは大腸がんになってしまう数はがんに罹患する全体の男性は3位、女性は2位ですが、合わせると1位になります。

癌なんて治療できれば終わりだろ、治療が終われば(それでもどのがんも5年間は再発に注意)それで大丈夫だろうと思っている方は要注意。

大腸がんって切除する場所によって、「ストーマ(人工肛門)」が必要になる場合があります。

「ストーマってなに?」と思う人もいらっしゃるでしょう。簡単に言うと通常は直腸から便が出ますが、直腸から出せなくなるためストーマに専用の袋を付けてそこから出します。

何が大変って、定期的に袋の中身を出さないとあふれ出るし、外出しても気にしなきゃいけない、管理しないと大変なことになります。

いわゆる「おなら」もそこに溜まるから、気が付いたら風船のようにぱんぱんになってるってこともあるし、破裂することもある。

清潔にしないと皮膚は荒れるしで、結構管理大変なんですよね。できればあまりお世話になりたくないものです。

僕がストーマを経験したわけではないのですが、身近に見たことがあります。自分で管理できる人も大変だし、寝たきりで人に管理してもらうのも大変ですよ、本当に。

イメージが付きにくいかもしれないので、動画を見てもらえると幸いです。

参考 youtubu:care styles consultig

心疾患

一言で心疾患と言ってしまえば、種類はたくさんありますが、生活習慣病に関係する、そして心疾患の大部分を占めるのは「虚血性心疾患」と言われています。

狭心症

心臓の筋肉に栄養を送っている、心臓を囲むようにして走っている冠動脈が、動脈硬化などで血管が狭くなり、一時的に流れが悪くなることで心臓に栄養が行かなくなることです。

狭心症は胸の痛みや息切れなどを起こしますが、一時的で2~15分もすれば症状は落ち着きます。

心筋梗塞

生命に直にかかわると言ったら心筋梗塞です。

狭心症は血管が狭くなって一時的に栄養が行かなくなる状態を指しますが、心筋梗塞は狭くなっている部分に血栓が詰まることで、詰まった以降の心筋は壊死してしまいます。

最悪の場合亡くなる…なんてことも。

狭心症・心筋梗塞どちらにも言えることは「冠動脈が狭くなること」です。

脳卒中

脳卒中にも種類があります「脳梗塞」「脳出血」「クモ膜下出血」です。

  • 脳梗塞…脳の血管が狭くなったり、血栓が詰まったりして血液が流れなくなること。
  • 脳出血…脳内で細い血管が破裂し出血すること。
  • クモ膜下出血…くも膜下を走る太い動脈が破裂、出血すること。

です。
脳卒中については以下に詳しく書いてあるので、見ていただけると幸いです。

そして、脳卒中の怖い話。
実はこの脳卒中、寝たきりになる原因の1位となっています。

そう、冒頭で話した「何年もの間寝たきりで天井を見つめて過ごしている」のは脳卒中が原因で寝たきりになった患者さんのことです。

意識が本当にあるかどうかもわかりません、声をかけても返事が返ってこないんですから。

だけど、こんな話も聞くんです。寝たきりで意思疎通も出来なかった患者さんが奇跡的に意識を取り戻し回復。

話ができるようになって、ふと寝たきりだった時のことを話すと「あの時、声をかけてくれたよね、返事はできなかったけど聞こえてたよ」と。

もし、あなたが脳卒中になって、言葉も何もできない状態になった時、周囲の音だけ聞こえる。
こんな辛いことがあるでしょうか。

恐ろしくて想像もしたくありません。

糖尿病

糖尿病は本来であればインスリンが血糖を正常に保つ働きをするのですが、このインスリンが何らかの原因で作用不足となり起こる状態のことです。

インスリンは糖を細胞内に取り入れるために必要な物体なのですが、これがうまくいかなくなると血液の中に糖がたくさんある状態になる、これが高血糖です。

糖尿病のために高血糖が続くとどうなるか。
合併症を引き起こす原因となり、ここまで行くと恐ろしいことが。

  • 網膜症:目の中の小さい血管網膜がむしばまれます。そのため最悪の場合失明に至ります。
  • 神経障害:手足の神経に異常をきたししびれたり痛みを伴ったり。感覚がなくなったがために足の傷に気づかず、(糖尿病になるとケガも治癒しにくいので)足壊疽(足が腐る)になります。
  • 腎症:腎臓の細い血管がむしばまれるために機能が低下。最悪人工透析に。
  • 動脈硬化:心疾患や脳卒中の原因になります。

そこまでいかなくとも、血糖をコントロールするために薬を飲まなくてはいけなくなったり、インスリンの注射を自分でしなくてはいけなくなったりと大変です。

食物繊維とつながるポイントは?

「食物繊維を摂らなかっただけで、こんなに怖い4大疾病に将来悩まされることになるなんて!」

そうです、怖いんですよ。
若いうちからちゃんとケアしていかないと老後とんでもないことに悩まされることになるわけです。

「でも、ちょっと待って。食物繊維が効くっていうけど、4大疾病の何に効くの?」
待ってました、その言葉。

これから「どうして食物繊維が4大疾病に効いて、私たちの老後を守ってくれるのか」について話したいとおもいます。

4大疾病には食物繊維につながる共通点がある

4大疾病と食物繊維のつながりがないと、話が進みません。まずは4大疾病からポイントを探ります。

がん(大腸がん)

  • 食事の変化:和食から欧米化に伴いカロリーの高いものやタンパク質の多いものを摂りがちに。そのため便秘になりやすく、有害物質が大腸にとどまる時間も長いためがんになりやすいと言われている。
  • タバコ:百害あって一利なしと言われるくらいですから、大腸がんにかかわらずいろんながんのリスクを上げます。
  • 過度の飲酒:二日酔いの原因ともなるアセトアルデヒドが原因でDNAが修復できなくなり、大腸がんにかかわらずいろんながんの原因に。
  • 運動不足・肥満:運動することで大腸がんが減る、肥満になる事で大腸がんのリスクが増える研究結果があるそうです。

心疾患

狭心症も心筋梗塞も血管を細くしているのは動脈硬化が原因です。

脳卒中

  • 脳梗塞:動脈硬化と血栓が詰まることが原因です。
    (血栓は不整脈によってできる)
  • 脳出血:動脈硬化により血管がもろくなって破裂するのが原因です。
  • クモ膜下出血:脳動脈瘤が破裂して起こることが原因ですが、脳動脈瘤ができる理由はわかっていません。しかし、高血圧や喫煙が破裂する原因に。

糖尿病

食の欧米化に伴う栄養の偏り、運動不足による肥満です。また血糖値の上昇も原因です。

共通点は黄色のマーカーにあり!

黄色のマーカーが入っているところがポイントです。
「便秘」「動脈硬化」「肥満」「高血圧」「血糖値の上昇」となります。

これらに的を絞って食物繊維の効果について話していきます。

食物繊維は4大疾病にこう効く!

上で話した共通点に食物繊維がどう効くか、で紹介したいと思います。

便秘

食物繊維には2種類あって、それぞれ不溶性食物繊維と水溶性食物繊維とで分けられます。

便秘に効くのは両方で、不溶性食物繊維は量を増して腸を刺激し動きを活発にすることで排便を促します。

水溶性食物繊維は水に溶けるので、潤滑剤がわりになり、便をスムーズに出してくれます。また善玉菌のえさになるので善玉菌が増え便秘を予防します。

こうして有害物を外に出してくれる。便秘解消は体にとって本当に良いことなのです。

動脈硬化

動脈硬化は文字通り動脈が固くなる病気。この動脈の固くなる原因がコレステロール・中性脂肪が血管中に溜まることで起こることが多いと言われています。

このコレステロールと中性脂肪に効果的なのが食物繊維です。

コレステロールは脂肪の消化に必要な胆汁酸を作るのに使われるのですが、この胆汁酸役目を終えたら小腸で回収、肝臓に戻り再利用されます。

その小腸での吸収を抑えるのが水溶性食物繊維です。

吸収を抑えられたため再利用ができなくなる→新しいコレステロールが使われる→結果的にコレステロールが減る。というわけです。

また、水溶性食物繊維の包み込む働きによって中性脂肪が腸内で吸収されるのを防ぐため、中性脂肪も体内に溜まらず排泄されるます。

体内にコレステロールや中性脂肪が少ない状態であれば動脈硬化が起こりにくくなるというわけです。

肥満

動脈硬化のところでも話しましたが、コレステロールや中性脂肪が体に溜まらないからだということは、肥満になりにくい体というわけ。

また、不溶性食物繊維は基本的によく噛んで食べるものが多く、よく噛むということは満腹中枢に働きかけるので、食べすぎ防止にもなります。

高血圧

高血圧の原因が塩分を摂りすぎだということは皆さんよく知っているのではないでしょうか。

水溶性食物繊維は塩分も吸着し便として出してくれます。余分な塩分が体に溜まりにくくなるということは、高血圧の予防になりますよね。

ちなみに食物繊維は上でも話した通り便秘に効くので、もし高血圧の人が排便をするとき力を入れすぎで脳出血や心臓発作。

なんてことも予防できると言われています。

血糖値の上昇

糖は炭水化物が消化管を通る中で分解され、腸で吸収され血液内に入ります。この吸収される量が多ければ多いほど血糖値は上昇します。

そこで吸収を阻害するのが水溶性食物繊維の役割。脂肪と同じで糖を包み込んで消化管をゆっくり通ることになります。

腸内で吸収される頃には、インスリンはしっかりでき上っているので、インスリンがしっかり働き血糖値の上昇を抑えることができるのです。

どうですか、食物繊維は便秘以外にもいろんなものに効く働き屋さんです。

食物繊維は圧倒的に足りていない!

どうして日本人が4大疾病にかかるようになったのかというと、こうした効力を持った食物繊維の摂取量が減ったからだと言われています。

どれだけ足りていないのかというと、一日の食物繊維摂取量目標量は男性20g、女性18gと言われているのに対し、大体14gほどしか摂取できていないとの結果が。

そうです、昔は和食で取れていた食物繊維が、食の欧米化に伴い食物繊維の摂取量が少なくなってしまったんです。

それで4大疾病のようないわゆる生活習慣病が増えてしまったというわけですね。

食物繊維は

  • 水溶性:昆布・わかめなどの海藻類、こんにゃく、熟した果物、野菜、大麦など
  • 不溶性:豆類、野菜、キノコ、甲殻類など

を水溶性:不溶性が1:2で摂るのがよいとされていますので、これを機に食物繊維を摂ろうと考えている人はバランスも注意です。

忙しい人は「スムージー」っていう手もありますので、いろいろ探してみてくださいね。

こんなのとか面白そうアルポカヒートスムージー

まとめ

以上、食物繊維が老後のあなたをなぜ守ると言えるのかという話でした。

  • 日本4大疾病にかかるかかからないかは、はあなたの老後の人生を元気生きられるか、それとも病院に通ったり入院する生活を送るのかの分かれ道です。
  • それぞれ原因はありますが、それらを食物繊維を食べることで、リスクを減らすことができます。
  • 現在日本人は食物繊維の摂取量が圧倒的に足りていないと言われています。バランスの比率を守って、しっかり食物繊維を摂りましょう。

せっかく一度きりの人生です、病気になって寝たきりの生活をあなたは選びますか?いいえ、選びませんよね。

あなたもバランスよく食物繊維を摂取し、生き生きとした老後を送りましょう!

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