食物繊維でアレルギー体質が改善?アレルギーとさよならする方法とは

昨今アレルギー症状で悩まされている人は増えていると言います。どのくらい多いかというと、2人に1人は何らかのアレルギー症状に悩まされているそうです。

そういえば、今年は割とあたたかいからか、僕の周囲にも「すでに花粉飛んでない⁉鼻水が出始めたんだけど」なんて人も増えてきました。

花粉症、本当に増えましたよね。
昔は今より自然豊かだったと思いますが、だからと言って花粉症が多かったのかというとそうではないですよね。

そういえば、年中アレルギー症状に悩まされていた同僚からこんな話を聞いたことがあります。

「私はもともと幼少期、アトピーだったんだけど、年を取るにつれて一旦治ったんだよね。だけど、大人になって出産を経験して体質が変わったのか、アトピーが再発しちゃったの。

そこからは病院通い。
どんな塗り薬や、どんな飲み薬を処方されても治ることはなくて、ずっと薬とお付き合いしてたの。

だけど、このままではダメだと思って、自分でできる対策を調べてみたら食事で改善されるって書いてあったのを見て『これだ!』と思って。

そこから気を付けるようにしてるの。
完全に治ったとは言えないけど、前よりアトピーの症状は改善したよ。」

と。確かに彼女、時折手や顔がかゆそうに赤くなっていたりかいた傷がたくさんあった時期がありました。最近はあまり見かけないような気がします。

彼女はどんな食事改善を行ったのか。
それを調べると「食物繊維」にたどり着きました。

どうして「食物繊維」がアレルギーに効くのか、今アレルギーで悩まされている人も、身近にアレルギーを持っている人がいる人も、読んで損はない内容です。

アレルギーはどうして起こるのか

本来、人間には体に侵入してきたウイルスや菌、そのほか体には必要のないもの「抗原」を、免疫細胞が「抗体」を作って「抗原」と一緒にくっついて体の外に出すという働きがあります。

これを免疫というのですが、本来であれば異物の排除をするはずの免疫機能が誤作動を起こして食べ物だったり花粉だったりハウスダストだったりに反応してしまうのがアレルギーです。

IgE抗体が高いとアレルギーが起こる

体にとって異物ではないのに反応してしまう原因として言われているのはIgE抗体です。
アレルギーの検査をしたことのある人は知っているかもしれません。

ちなみに、僕の同僚の子はハウスダストのIgE抗体の数字が結構高かったそうで、全身のかゆみや季節の変わり目には鼻炎に悩まされていると聞きました。

それではどうしてIgE抗体がかゆみを引き起こしたりするのか。
その答えはマスト細胞にあります。

あー、わけがわからなくなった。IgEとかマスト細胞とかなんなんだ。と思ったそこのあなた。
もうちょっとお付き合いくださいね。

マスト細胞は炎症物質を放出

あ、マスト細胞って肥満細胞とも呼ばれるけど、肥満とは全く関係ないんです。それじゃ、肥満なんてつけるなって話ですけど(笑)

話は戻りますが、そのマスト細胞ってやつは血管や皮膚にたくさんいて、血液の周りにいると言われているので、血液が流れているところにはこいつがいると思って間違えないです。

そして、IgE抗体はアレルゲン(例えば花粉)が入ってきたことに反応し、それを察知したマスト細胞ヒスタミンっていう炎症物質を出してしまうから、鼻炎になったりかゆみが出たりするというわけです。

引用:youtube TheWannabeBC

「動画に1型とか書いてあるけど、どういうこと?」と思われた方もいるはず、基本的に知られているアレルギーとは1型と思っていいです。ちなみにアレルギーは1~4型まであります。

参考までに、2~4型アレルギーの代表疾患を書いておきますね、できるだけ聞いたことがあるのを載せておきますので、「これもアレルギーか!」と思ってみていただけると幸いです。

  • 2型アレルギー
    (例)血液型不適合
    違う血液型が混ざって溶血(赤血球が破壊されること)が起こる事。だから違う血液は輸血しませんよね。
  • 3型アレルギー
    (例)悪性関節リウマチ
    関節リウマチは関節に出ますが、悪性関節リウマチは血管炎を起こしたり、関節だけでなく治りにくかったり重篤になるリウマチのこと。予後が不良です。
  • 4型アレルギー
    (例)ツベルクリン反応
    結核の抗体があるか調べる検査。赤くなると抗体があるということ。これは反応がある方がよいですね。

どうしてアレルギーが増えたの?

私が子どもの頃は、アレルギーを持っている人ってそんなに多くなかった覚えがあります。「教室に一人牛乳アレルギーの子がいたな」そんな記憶しかありません。

子ども時代はそれこそ今より自然も多く、花粉にさらされる機会も多かっただろうに、あまり花粉症に悩んでいる人も聞いたことがありません。

あなたの近くにアレルギーを持っていた子、多かったですか?今ほどいなかったと思いませんか?
近年は子どものアレルギー患者も急激に増えていると聞きます。

そういえば、この間正月に会った親戚の子は「バナナアレルギー」だとか。家でも学校でも当たり前のように食べていたバナナが食べられないなんてかわいそうだなと思った覚えがあります。

アレルギーって怖いことに「蕁麻疹(じんましん)」くらいなら「わー!蕁麻疹(じんましん)が出た、アレルギーかも、病院に行かなきゃ」くらいで済むかもしれません。いや、蕁麻疹もかゆくて大変なんですけどね。

しかし「呼吸器症状」が出たらかなり恐怖を感じると思います。生命維持で大切な呼吸が喉が腫れたりすることで呼吸困難を起こすんですから、恐ろしい…。

アレルギーの原因は環境の変化?

さて、どうしてこんなにアレルギーが身近になったのか?それは昔と比べて生活環境が変化したからだと言われています。

自分の幼少期を思い出すと、外で遊ぶのが当たり前、今より「消毒」と言われることも少なかったような気がします。今の子ってきれいな中で生活していると言えばそんな気がしますよね。それだけ環境が整っていると言えばそうなのですが。

昔よりも細菌や寄生虫の感染になる事が減った、これは良いことだと思っていましたが、小さいころにこれらにかかることで、正常な免疫が出来上がるという説もあるんだそうです。

ま、だからって不潔は嫌ですけどね。病気はかからないに越したことはないし。社会人になると病気で休むと「自己管理がなってない」って言われるので、病気を極力避けたい人も多いはず。

食生活の変化にも問題が

もちろん、環境だけが問題でありません。食事はどうでしょう。魚より肉が中心の欧米化に伴い、本来は必要とされる「アラキドン酸」を過剰に摂取することによりアレルギー症状が出やすくなると言われています。

本来アラキドン酸は血圧のコントロールやアルツハイマーなどの脳の病気、免疫力の向上などの効果があるとされていますが、過剰摂取によりアレルギーや動脈硬化を起こすとなると真逆の効果のような気もしますね。なんにしてもバランスって大事ってことです。

後はインスタント食品や、加工された食品が増えたため、昔と比べて食品添加物を摂取する機会が増え、それがきっかけでアレルギーが増えたと言われています。

環境・食事以外にも原因は様々

また、排気ガス・黄砂・タバコの煙などの大気汚染も呼吸器を刺激してアレルギーを起こす原因になっていたり、両親がアレルギー持ちだとその子どももアレルギーになりやすいんだそうです。

意外とそこら中にアレルギーを引き起こす原因って転がっているわけです。だからこそアレルギーの人が増えたというのも納得ですね。だけど、アレルギー症状はどんな症状にしたって辛いものです。抑えられるのであればそれに越したことはありませんよね。

アレルギーと腸

さて、だんだんアレルギーと食物繊維の関係に近づいてきました。「アレルギーと食物繊維って本当に関係あるのか?」と思っている人もたくさんいらっしゃると思います、僕もその一人でした。

腸は大事な免疫器官

核心に迫る前に大事な腸の話をしますね。
腸は食べ物のカスを便として出すだけでの器官ではないんです。実は腸には食べ物だけでなく、細菌やウイルスなんていう病原菌が入ってきます。

腸は「第二の脳」とか「腸管免疫」とか呼ばれていますが、腸の役割は食物を消化し吸収して栄養を全身に巡らせる意外に、不溶な病原菌類は排泄するという役割を持っています。

そして、腸には体の約70%もの免疫が存在していると言われています。それらが働くことによって、人間は元気でいられるというわけなんですね。

しかし、アレルギーになってしまう人の腸内には「免疫の異常」があるとされているんです。免疫が本来攻撃してはいけない物質に攻撃してしまうことで起こるアレルギー。

これには腸内細菌が大きく関わっていたんです。

異常な免疫反応に働く免疫と細胞の関係

腸内細菌の数を調べてみると以下のことがWikipediaに書かれていました。

腸内細菌は多数の雑多な菌種によって構成され、一人のヒトの腸内には100種から3000種類の細菌が100兆個から1000兆個の腸内細菌が長さ約10mの腸内に生息しており、重量にすると約1.5-2kgに相当する。

引用:Wikipedia

この腸内細菌の中でアレルギーに関係するのは「クロストリジウム」という種類の菌です。「クロストリジウム」の中にも100種類もあるそうなのですが、その中の一部がアレルギーと関係しているという研究結果が発表されたそうです。

免疫機能というと先に話したように「外から入ってきた異物を排除する」ことなんですけど、その免疫機能の異常反応がアレルギーとお話しました。その異常反応を抑える「Tレグ」といういわゆる他の免疫機能と逆の働きをする細胞がいます。

この免疫細胞「Tレグ」を作り出されるのに必要な細菌が「クロストリジウム」という腸内細菌というわけ。そう、アレルギーを抑えるためには「クロストリジウム」が重要な働きをするんです。

超余談になりますが、この記事を医療従事者が読んだとき「クロストリジウムって悪い菌ではないの?」と思う人もいるはず。僕は少なくともそうでした。クロストリジウムが原因で下痢を起こして入院、なんて話を聞いたことがあるからです。

今回調べたときに「クロストリジウム」って悪い菌も良い菌あるんだなと驚きました。

クロストリジウムと食物繊維の深い関係

やっと食物繊維の出番ですよ!
あなたが食物繊維と聞いて、まず最初に浮かぶのは「便秘解消」ではないでしょうか。

食物繊維で便秘を防止する

腸内環境を整えるうえで便秘は「悪玉菌」を増やす原因となるので、もちろん便秘は禁物です。

この便秘解消に必要なポイントは食物繊維の中でも「不溶性食物繊維」です。不溶性食物繊維は豆や芋や野菜、キノコに含まれていて、便の量を増すことによって腸の蠕動を促し、排便を促します。

しかし、あまり摂りすぎると今度は便が固くなってしまうので逆効果、便秘になってしまうので程々でお願いします。

水溶性食物繊維がクロストリジウムの餌となる

便秘解消ももちろんですが、ここからが大事な話です、いよいよ食物繊維とクロストリジウムの話です。

食物繊維の中でも水溶性食物繊維は、腸内細菌の中でも善玉菌の餌となります。クロストリジウムは食物繊維を餌として「酪酸」を出します。この「酪酸」が生まれることでTレグが生まれるという仕組みになっています。

そして作られたTレグが他の異常反応を起こしアレルギーを起こしている免疫細胞に「その反応やめなよ!」と止めることでアレルギーが止まるというわけです。重度のアレルギー患者はこのTレグを作る力が弱くなっていると言われているほどです。

ですので、簡単に言うと

  1. 水溶性食物繊維をとる
  2. クロストリジウムが水溶性食物繊維を餌として食べ「酪酸」が増える
  3. 酪酸が増えた結果「Tレグ」も増加
  4. アレルギー反応が抑えられる

という効果が期待できるというわけです。
そんな水溶性食物繊維、どんなものから摂取できるのかというと、海藻やこんにゃく、熟した果物などから摂取できますよ。

どうやったら摂れる?食物繊維

現代人は食物繊維摂取量が驚くほど足りていません。推奨されている一日の摂取量は男性20g、女性は18gですが、実際のところ14gしか取れていません。

だからこそ、意識して食物繊維を摂る必要があるというわけです。不溶性食物繊維も水溶性食物繊維もどちらかに偏ってはいけません。不溶性(2):水溶性(1)が一番良いとされています。

そうは言っても、どうやって不足分を補うのか。明日からでもできる方法をご紹介します。

  • ごはんにもち麦や雑穀米(16穀米)を加える
  • サプリメントを活用する
  • 青汁(食物繊維含有量を見てくださいね)

などがあげられます。
あなたの生活スタイルに合わせて、選んでくださいね。

まとめ

以上、食物繊維はアレルギー症状を改善してくれるという話でした。

  • アレルギー反応にはIgE抗体とマスト細胞によって引き起こされる
  • 環境や食事、遺伝など様々な原因によりアレルギーに悩んでいる人は年々増えている
  • アレルギーを抑えるには腸がカギを握っている
  • アレルギー症状を抑えてくれるTレグ細胞を増やすためには、食物繊維をたくさん食べて善玉菌を増やすことがポイント
  • 効果的に摂取して、一日必要量をクリアしよう

あなたがアレルギー体質に悩まされているなら、食物繊維を積極的に摂取してみてください。周囲にアレルギー体質で悩んでいる人に食物繊維いいよって伝えてあげてください。

少しでもアレルギー体質で悩む人が減ることを願っています。

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