みなさん!タラの芽もどきの見分け方ってわかりますか?
つくしやわらび、その中でも大人に人気なのはやっぱり”タラの芽”。天ぷらにして食べる時のあの”サクサク感”は癖になりますよね。僕はタラの芽の味を忘れられず、山菜採りを楽しみにしているんです。
ある日、 友人が山菜を採りへ出かけて大事件が起きてしまったんです! なんと 体が赤くかぶれてしまい、痒くて痒くて仕方がない! それは、タラの芽に似たアイツの仕業。
その名もタラの芽もどき。
痒みが完治するのに数週間もかかり、その間ずっと我慢しなければいけません 。山菜採りに慣れている友人が間違えるくらい、タラの芽にそっくりで危険な植物。知らずに山菜を採りに行くと大変な事になりますよ!
今回はタラの芽もどきの見分け方と噂されているタラの芽には毒があるのかも解説したいと思います。
タラの芽とは




- 採れる時期:4~6月
- 採れる場所:里山の日当たりのいい場所
タラの芽は「山菜の王様」といわれるほど人気があります。山菜シーズンになると、皆こぞって狙いに行く山菜なんです。山菜シーズンになると、スーパーマーケットにも並ぶ事があるほどの人気っぷり。




~管理栄養士の豆知識~
白血球などの 免疫力を上げるタンパク質が豊富なんです 。まさに今のコロナ対策に必要な栄養素!他にも骨の形成を助けたり、糖質や脂質の代謝を助けてくれたりするビタミン類が多い。 王様と言われるだけの事はあり、栄養価がすごく高いんです!
タラの芽の偽物!ウルシの木に注意




タラの芽と間違えやすく素人がひょいっと採ってしまいそうな見た目のこちら、ウルシです。
ウルシの木は、タラの芽によく似た芽を出します。どれくらい似ているかというと、よく山菜を採りに行くベテランの方も間違えてしまうほど!山菜摘みの経験の少ない方は、なおさら間違えやすいので注意が必要なんです。




ウルシの芽のほうがタラの芽に比べて赤っぽいですねこれも見分けるポイントです!
見分け方、ポイントは木を見る事




タラノキ




ウルシの木
トゲがあるのがタラノキ、トゲがないのがウルシの木です。
タラの芽を採りに行ってウルシの木でかぶれては辛いですよね。山の中、木々が多いところで区別するのは本当に難しい事なんです。タラの芽もウルシの芽も、枝の先端に小さな緑の芽の姿さえも、タラの芽に本当によく似ています。
タラの芽を探しているから、つい枝の先の芽の方に目がいきますよね。芽を見つけた嬉しさに、木のとげを確認しないでウルシの芽を採ってしまう、という事がないようにしましょう。
間違えてウルシの芽を採ってしまったら樹液に注意して下さい!樹液に触ると、さらにかぶれが酷くなってしまうんです。気が付いたら慌てずに、落ち着いて対処してくださいね。
そして体を守る事も大切です。山に入るのに、気軽に半そで半ズボンで行ってはいけません。長そで長ズボンを着用し、手袋も厚手ものを着用、長い靴下を履き長靴を履いて体中を覆うようにして、かぶれに備えましょう。
最大の違いは”木にとげがあるかないか”なんです。タラの木には鋭いとげが生えていて、ウルシの木にはとげが生えていません。そのため、木のとげを見れば区別がつきます。トゲトゲしているのはタラの木、つるつるした枝がウルシの木と覚えておきましょう!
かぶれてしまったときの対処法




ウルシの木がなぜ危険かというと、それは樹液が原因!この樹液に触れる事で、かぶれを起こしてしまうんです。肌の弱い方は、近寄るだけでもかぶれを起こしてしまいます。タラの芽だと思って触ったらウルシの木だった、という事があるかもしれないんです!
かぶれると、皮膚は赤くなり水膨れのように腫れ、蕁麻疹のようなかゆみに襲われます。一度かぶれるとお薬を塗ってもなかなか治らず、完治には2週間くらいかかるといわれているんです。
痒いのに、それが2週間も続くなんて地獄ですね…。楽しいはずの山菜採りが、最悪の体験になってしまうかもしれません!もし、かぶれたら…
1.かぶれたところをできるだけ早く洗う
2.薬をぬる
3.かぶれたところを冷やす
4.なるべく早く病院へ行き、適切な処置を行い薬をもらう
なるべく早く対処する事が大切です。少しでも痒い…と感じたら、すぐに洗って病院に行ってください!
タラの芽には毒があるってホント?




先に言ってしまうとタラの芽に毒はありません!安心してください。
じゃあなぜ毒があるなんて言われてしまったのでしょうか?それはやつの仕業、タラの芽もどきウルシ君です。タラの芽だと思ってウルシの新芽を採ってしまうと、かぶれを起こしてしまい。




タラの芽には毒がある!
なんて言われてしまったんですね。実際にはウルシにも毒はなく、かぶれてしまうのはアレルギー性の皮膚炎です。毒じゃないからと言って、触って大変なことになってしまわないように注意が必要ですが、毒があるというのは勘違いだったんですね。
毒がなくても、タラの芽のトゲには気をつけて!




タラの木には多くのとげがあります。素手や軍手では太刀打ちできないほど鋭いとげが生えているので、取る際には作業用皮手袋などのとげに負けないよう保護する事が必要です。分厚い手袋をしてとげに気をつけて、タラの芽の根本からカットし芽を採ってください。
タラの芽の天ぷら以外のおいしい料理法








ここでは僕がオススメする、タラの芽の天ぷら以外の料理法をお伝えします!天ぷらも美味しいですが他の食べ方ってちょっとオシャレですよね。
唐揚げ
ザクザクの触感に天ぷらとはまた違った濃い味付けて食欲をそそります!子供もご飯のおかずとしてモリモリたべてくれますよ!
僕はもちろんビールと一緒に楽しみませていただきます。これがまた相性抜群。僕が説明するまでもなく最高のお酒のお供になること間違いなしです。
パスタ
タラの芽パスタも最高に美味しいんです。春の香りがして季節を感じられますね。調味料を少なめに素材の味をいかしたレシピに思わず「うまい」の一言。苦みもなく食べやすいですし、ランチになどいかがでしょうか?
おひたし
おひたし美味しいですよね!鶏ガラとごま油の味付けになっているので、和と中のコラボレーション!お箸が止まりませんよ。僕はもちろん片手にビールです。冬のビールって寒くてあまり飲めないんですが、春先になるにつれてビールの美味しい季節になりましたね!
タラの芽と一緒に探してみよう!








山菜の王様と呼ばれる「タラの芽」ですが他にも美味しい山菜は沢山ありますよ!
つくし




- 採れる時期:2~3月 3~4月(後半のほうが柔らかくて食べやすい)
- 採れる場所:日向の原っぱなど
春の山菜として親しまれているつくし。割と採りやすいところに生えているので、誰でも手軽に楽しめます。そんなつくしなんですが、実は根が深く別名「地獄草」と呼ばれるほど、駆除が難しいと言われているんです。
農家さんからは嫌われている植物ですが、だからこそあちこちで採れる理由かもしれませんね。 はかまと頭を取り除き、茎だけを食材として調理します。つくしは卵とじや、佃煮などがおススメなんです。シャキシャキとした食感が美味しいですよ!




~管理栄養士の豆知識~
つくしには抗酸化作用があり、健康で美容に良い山菜なんです!コラーゲンを合成してくれるビタミンCと、身体の内側と外側の両方の老化防止してくれるビタミンEが含まれています。とくに、このビタミンEの量がとても多いんです!
わらび




- 採れる時期:4~6月
- 採れる場所:枯れたシダ植物の葉でおおわれているあたり
山菜といえばポピュラーな存在のわらび。くるくると巻いた形が可愛らしいわらびですが、山菜の中でもアクが強いという特徴があるんです。アク抜きをしないで食べると食中毒になりますので、絶対にアク抜きをしてから調理をしてください。
僕の母はわらびの煮物が大好きで、お店に売っているのを見ると買って食べています。「自分で作れば安いし、たくさん食べれるじゃん。」と僕が言うと、母は「アク抜きして味付けするのが面倒なのよ。しかも好きなのは私だけだから、作る気が起きないの。」と言っていました。
なるほど、と調べた今納得しました。 家族のみんなが好きなら料理に手間をかけられるけど、自分だけだと面倒になりますよね。僕も今ならその気持ちがよくわかります。
とは言っても、わらびのアク抜きはそんなに難しくありません、というか簡単なんです(笑)参考までに、アク抜きの動画を紹介いたしますので、ぜひご覧ください。なんだ〜簡単だ!って思いますよ?
アク抜きの仕方
炒め物やナムル、おひたしにしても美味しい!シャキシャキッと食感が良いし、ヌルっとした”ぬめり”が食欲をそそるんですよね~。




~管理栄養士の豆知識~
人が成長するために必要な栄養素であり、脂質を代謝するのに必要なビタミンB2と、有害物質を排出して腸内環境を改善してくれる、非水溶性食物繊維が多く含まれています。成長期のお子様や、便秘の方におススメな山菜なんです。
便秘改善のために食物繊維の事を知りたい!という方は、ぜひこちらの記事をご覧ください。手軽に野菜が食べられるお弁当や宅配を紹介しました!
ふきのとう




- 採れる時期:2~3月(寒い地方は4~5月頃)
- 採れる場所: 道路沿いや川沿い、田んぼの端
春の訪れを知らせるのが、このふきのとうなんです。黄緑色の可愛い花のような姿で、地面から顔を出している姿は力強く感じられます。みなさんも一度は目にした事があると思います。
意外と知られていないかもしれませんが、ふきのとうは根に毒を持っています。ペタシテニンと呼ばれる毒で、根の部分を誤って食べると肝臓の病気を引き起こす可能性があるとされています。根は必ずカットしてから調理してください。
ふきのとう、といえば天ぷらやおひたし、それに野菜炒めなどがおススメなんです。僕はおひたしが1番好きで、わさびをつけて食べると苦みとピリッとしたわさびが合うんですよね~!




~管理栄養士の豆知識~
胃腸の働きを整えて消化を助けてくれる、フキノリドという成分が含まれています。それから高血圧の予防をしてくれる、カリウムも豊富なんです。飲みすぎた時や、お酒のおつまみにピッタリ!
青こごみ (クサソテツ)




- 採れる時期:4~6月
- 採れる場所: 日当たりの良い水辺の近く
この青こごみも人気の山菜の1つ。新芽はアクが少なくて子供でも食べやすいと好評なんです。上がクルクルしていてゼンマイに似ています。なるべく、上が丸まっている若芽が美味しくて食べごろ。 根元の部分を切って収穫して下さい。 料理には天ぷらや胡麻和えがおススメ。




~管理栄養士の豆知識~
鉄の吸収を良くして、ストレスを抑える効果のあるビタミンCと、身体の機能を正常に保つビタミンEがバランスよく含まれています。貧血で悩んでいる方は、この青こごみと一緒に鉄分の多い物と一緒に食べるといいですね!
赤こごみ(イッポンコゴミ)




- 採れる時期:5~6月
- 採れる場所: 水辺の近くで日当たりの良い所
上の青こごみと似ていますが、同じ種類ではありません。青こごみは”まとまって生えます”、でも赤こごみは”1本ずつしか生えない”ので、たくさんは採りにくい山菜なんです。赤こごみは、青こごみよりもさらにアクが少なく柔らかい。山菜を食べた事がない、初心者にピッタリな山菜なんです!
山菜の中でも美味しいらしく、ファンが多いそうなんです。僕は青こごみも赤こごみも食べた事はないんです。だから今度この2つを食べ比べしてみたい!きっと美味しいんだろうなぁ。
赤こごみにはおひたしや味噌汁、からしマヨネーズ和えなどの料理にピッタリ!




~管理栄養士の豆知識~
抗酸化作用やガンを抑える効果があるポリフェノールがたっぷり。身体が酸化すると老化が加速して、シワができたり認知症になりやすくなったりするんです。老化を遅らせるためにも、この抗酸化作用のある赤こごみを食べましょう!
タラの芽の時期が過ぎてしまったら次はコレがねらい目
ウド、山ウドなどと呼ばれこちらも大人気の山菜です。




- 採れる時期:5~6月
- 採れる場所:水気のある斜面、川辺など
ウドは苦みとアクがあるので少し大人の味。でも採りたてのウドはアクが少ないんです。時間がたつと強くなってしまうので、採りたてを早く食べると美味しく食べられます。ウドの魅力は捨てるところがほぼゼロなところなんです。根以外の新芽、葉や茎も食べれます。
僕は子供の頃から好きで、たまにウドが食卓にも登場していました。酢味噌で食べると苦みは全然気になりません。甘酸っぱさと、ウドのほろ苦さが美味しいんです!あとは味噌汁や天ぷらにしても美味しく食べられます。
実はお店で売られているウドは、山で採られたものではないんです。それは栽培で育てられた白ウド。日を当てずに育てるため白い色をしています。白ウドは栽培なので、いつでも摂れるので一年中お店で売られています。




~管理栄養士の豆知識パート1~
白ウドは新陳代謝をアップする効果や、動脈硬化の原因になるコレステロールを減らしてくれます。山ウドよりも苦みが少ないので食べやすいのですが、こちらの方が栄養価は低いんです。
天然の山ウドは日を浴びて育つので緑色をしています。山ウドは白ウドに比べて摂れる量が少なく、この季節でしか摂れないので貴重なんです。しかも日光を浴びて伸び伸び育つので、栄養価がとても高い!さすがは山菜の王タラの芽の仲間ですね。
写真のように赤い線があるウドが新鮮な証拠。根元の部分から鎌などで切って採るようにして下さい。せっかく摂るなら、新鮮で美味しいウドの方がいいですよね!




~管理栄養士の豆知識パート2~
ガン予防に効果的なクロロゲン酸が白ウドよりも多く含まれています。他にも疲労回復などの効果がある、アスパラギン酸が多く含まれているんです。
山ウドは摂ったら暗い所で保管して早めに食べて下さいね。上記で紹介した、ほぼ捨てるところがないというのは嘘でない!という事をこの動画で証明いたします。ぜひ、新鮮な山ウドを摂って美味しく食べちゃいましょう!






6 まとめ
- タラの芽は「山菜の王様」
- タラの芽もどきの正体はウルシ
- 見分け方は、「木」トゲがあるほうがタラノキ、トゲがないのがウルシの木
- かぶれても落ち着いてすぐに対処すれば大丈夫!
- タラの芽に似たウルシの芽や木は危険!とくに樹液には注意!
- タラの芽に毒はない、ウルシにも毒はない
- 天ぷら以外の僕のおススメは唐揚げ、パスタ、おひたし
- タラの芽以外の山菜も採ってみよう
- タラの芽の次はウドがオススメ全部食べられる
春の山菜採りは、採ってすぐに食べれるのが楽しい!それに”どんな山菜を採ろうかな?”とか”どんな料理にしようかな?”とかを考える事もまた、山菜採りの楽しみの1つなんです。
僕は山菜は自然の生命力だと思っています。寒い冬を過ごし、新しい命の始まりなんです。だからこそ独特の苦みやアクがあり、たくさんのパワーが詰まっているんだと思います。
食べる事で、人もその”自然のパワー”を吸収できると考えると本当に嬉しく楽しいですよね。だから山菜採りに夢中になる方の気持ち、本当によくわかるんです。それが大人も子供も皆で楽しめる”春の楽しみ方の1つ”でもあるから。
しかし山には危険がたくさんあります。本当は楽しいはずの山菜採りで、 辛い思いはしたくありませんよね。山に入る時は自分を守る意味で十分な装備を心掛け、知識もつけて充分に気をつけて、春の山菜採りを楽しんで下さいね!




山菜はカリウムやビタミンE、食物繊維が多いので身体にとても良いんです!子供から大人まで健康のために食べたい山菜、ぜひみんなで山へ採りに行ってみてはいかがでしょうか?
管理栄養士の資格を持つ僕が 山菜の健康効果もばっちり紹介しますよ! この機会に見分けかただけじゃなく、山菜の栄養も覚えて行ってください!