何でも好きなものを食べても良いんだよ!よく噛んで食べるならね!そんな内容のダイエット方法がある事を皆さん知っていますか?
それがMEC食(めっくしょく)。お肉と卵とチーズを主食としたダイエット方法なんです。なんでも食べて良いなんて、ダイエッターには夢のような話ですよね。先日友人から勧めらたのも、このMEC食でした。
友人はだいぶ、ふくよかな体型でしたが、MEC食を始めてダイエットに成功したらしく、確かに少し細くなったような感じでした。僕がダイエットに興味があったのを知っていたので「やってみなよ」と勧めてきたのです。
僕はその時MEC食の事をあまり知らなかったので「そうだねぇ」なんて曖昧にしてしまいましたが、本当に何を食べてもダイエットになるなら試してみたいですよね。
だから家に帰ったらめっちゃ調べてみました。MEC食の事。だって何食べても良いんですよ。調べるしかないじゃないですか(笑)
そしたらMEC食について色々と出てくる出てくる。そんなにブームになっていたとは知りませんでした。でも調べていく内に、落とし穴的要素がある事に僕は気付いてしまったんです…。
その落とし穴にハマってしまうと、バランスの良い食事をしていた時のような身体に戻るのに、長い年月を掛けて戻していかないといけない。そんな大変な思いをしてしまうんですよ。大変な事になる前に、その落とし穴について皆さんにお教えしたいと思います。
MEC食って本当に何食べても良いの?
結論から言えば、MEC食では何を食べても良いそうなんです。でもルールがあって、それを守った上で、ですよ。しかもルールはたったの2個だけ。2個だけなら毎日守れそうですよね。さぼり癖のある僕でも出来そう(笑)さて、どんなルールなのか気になりますよね。早速ご紹介します。
ルール1:1日のベース量を食べる
ルール1はお肉・卵・チーズの1日のベース量を食べる事。そして、それだけでは不足してしまうビタミン・ミネラルを摂る為に適度なお野菜を食べる事です。
1日のベース量は下記の通りです。
- お肉 200g(お肉なら何でも良い。薄切り肉なら8~10枚程度)
- 卵 最低3個
- チーズ 120g(チーズなら何でも良い。6Pチーズなら6個分の量)
ルール2:30回以上噛む事
ルール2は食べ物の大きさを一口サイズのガム(クロレッツガム)位に小さく切って、それを30回以上噛む。それだけです。でもこれがMEC食最大の特徴なんですって。
上記 2つのルールを守って、それでも足りなければお米やお肉や野菜や、他の物を何食べても良いんです。何を!食べても!良いんですって!この事実を知った時は夢の中の話かなってめっちゃ驚きました。あ、もちろんカロリーオーバーで太るので、食べ過ぎは厳禁ですよ。
なんでそんなに食べても良いのに痩せるの?
なんでも食べて良いのに痩せられるなんて。これでダイエット出来るならと、僕の気持ちはめっちゃMEC食に傾きました。もうMEC食に興味津々です。メロメロです。やってみたいなぁ~なんて、本気で思いました。
でも本当に不思議ですよね。食べるのに痩せる。実はこれには何点かのポイントがあるんです。
ポイント1:一口の大きさが小さいものを最低30回噛む
もうお腹いっぱーい。もういらないなぁ。と感じるのは満腹中枢が働くから。満腹中枢が働く事で、もうお腹いっぱいだよと身体に教えてくれるので食べ過ぎを防止出来るのです。
つまり満腹中枢に働いてもらわないといけない訳ですが、どうしたら満腹中枢に働いてもらえるのでしょうか?それはたくさん噛む事です。たくさん噛む事で、神経ヒスタミンという物質が分泌され、この神経ヒスタミンが満腹中枢を働かせてくれるのです。
そしてこの30回以上噛む食事を続けると、段々とご飯や麺類などの炭水化物が食べられなくなるそうなんです。これは噛んでいるうちに味が無くなり、段々と美味しいと感じられなくなり、最終的には食べたくないと思うようになるのだとか。
ポイント2:エネルギーになるタイミングの違い
ポイント2は三大栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物(糖質))のエネルギーになるタイミングの違い。身体に必要な三大栄養素は知っていましたが、その三大栄養素でもエネルギーになるタイミングがある事にびっくりしました。食べてすぐ全部が活動する訳じゃないんですね。
食べた後に体を動かすエネルギーになるのはたんぱく質・脂質・糖質の3つで、エネルギーとして使われる順番はこんな感じ。
糖質、脂質 > たんぱく質
たんぱく質は3つの内では一番最後にエネルギーになるので、食べてすぐにエネルギーになるのは糖質と脂質です。
じゃあどっちもすぐエネルギーになるならどっちでも良いんじゃないの?って思いますが、エネルギーになる過程が少し違うんです。
- 糖質=瞬発力のエネルギー
- 脂質=持久力のエネルギー
糖質は身体に入るとすぐにエネルギーに変換されて消費されてしまうので、すぐにまた大量に必要になります。一方脂質はゆっくりとエネルギーに変換されて消費されます。
つまり、糖質よりも脂質を摂る事で長期的にエネルギーを変換するので結果的に摂取カロリーが減る、という訳です。
ポイント3:結果的に糖質ダイエットになる
さて、このMEC食でまず食べるもの、何だったか覚えてますか?そうM、E、C、つまりお肉と卵とチーズです。それでも足りなければ他のものを食べても良いのですが、基本はその3つですよね。何か足りない事に気付きませんか?そう、糖質の摂取量が少ないんです。
下の図はMEC食のベース量であるお肉(今回は料理でよく使うであろう豚バラ肉)200g、卵3個、6Pチーズ6個に対しての成分ですが、糖質がずば抜けて少ないんです。僕たちが思っている程、糖質は含まれていないのが良く分かると思います。
そして、ポイント1の「よく噛む事」でベースの量だけで足りるようになるので、結果的に糖質ダイエットになるんです。
MEC食の落とし穴
さて、何を食べても良いと魅力的な事を散々言ってきたMEC食ですが、上の説明で結果的に糖質ダイエットと同じになるという事を分かってもらえましたか?もし分からなければ、もう一度説明を見てみましょう。それでも分からなければ僕の説明不足です…すみません。
つまり結果的に糖質ダイエットになるというのは、MEC食を極めると結果的にMECだけで足りるようになるので、炭水化物(糖質)をまったく摂らなくなるようになるという事です。
実はここがMEC食の落とし穴だと僕は思いました。これに気付いてMEC食に傾いた僕の心は少し元に戻ってきましたよ。やってみたいと興奮した気持ちも少し落ち着きました。落ち着いたところで…じゃあどういった所が落とし穴なのか、説明しますね。
糖質ダイエットというのは食事の内容から糖質の摂取を少なくしましょう、というダイエットですが、本来糖質を少なくしてしまうとエネルギーに変える他の物が必要になるので、野菜やお肉を増やして補わないといけないのです。
それをしないで、いつもの食事からご飯やパン、麺類などの糖質を抜き、尚且つ食事の量を減らすといった食事をしていると、疲れやすくなったり、集中力が下がったりと活発に活動出来なくなります。
MEC食は、最初の内はベースの量を食べて、それでも足りなければ他に何を食べても良いと話していますが、段々と自然にご飯やパンや麺類が食べられなくなるので、結果的に炭水化物のものをまったく摂らない状態になり、段々とベース量でも足りるようになるので食べる量も減っていくのです。
炭水化物を摂らない事の何が悪いの?
炭水化物(糖質)を摂らないようにすれば体重は落ちるし、何が悪いの?って思いますよね。大体の人はこの「糖質を摂らない=体重が落ちる」という事から糖質ダイエットをしているんだと思います。…が、実はそこが落とし穴の1つ。
確かに糖質を摂らないと体重は落ちるので、一見ダイエットに効果があるように思います。ですが、それは糖質の代わりに筋肉のたんぱく質と脂肪を分解して栄養を補おうとするからなんです。
え?脂肪を分解してくれるなら良いじゃん。と思ったあなた。よく見て下さい。筋肉と脂肪を分解して栄養を補おうとしてるんですよ。筋肉も、ですよ。筋肉が減ってしまうと、基礎代謝が下がって消費カロリーが減ってしまいます。
つまり、糖質を摂らない事で脂肪は分解してくれるけど、脂肪を燃やす役割を果たす筋肉も分解しちゃうから身体の中の脂肪を燃やす力が減っちゃうよって事なんです。
だから、「やった!ダイエット成功!食べる物少し元に戻そ~」って食事の量や内容を普通の食事に戻した時には、ダイエット前以上に太りやすい身体になってしまっているので簡単に太ってしまうんです。
簡単に太るような身体って嫌ですよね。僕だって嫌です。せっかくダイエットしたのにそのせいで痩せにくい身体になってしまうなんて本末転倒です。本当に大事なのは糖質をコントロールする事だと僕は思うんです。
たんぱく質(お肉)と脂質を摂るのはとても良い事だし、糖質制限状態はダイエットにはとても大切な事ですが、まったく糖質を摂らないのは身体に良くないんです。お肉や脂質のように、炭水化物も必要な栄養素なんですよ。
食物繊維の摂取量が少ない
それに肉食中心の生活になると、食物繊維が摂取されないので腸内細菌が弱って免疫力の低下に繋がるんです。それが2つ目の落とし穴です。食物繊維が不足すると、どうなるか…。箇条書きにしてみました。
- 腸内環境が悪くなる
- 悪くなると便秘になる
- 便秘になると無理にいきんで痔になる可能性がある
- 腸内の有害物質を身体の外へ出してくれない
- 大腸がんや生活習慣病になるリスクが増える
- 肥満になる
上に書いたのはほんの一部です。これだけでも身体に良い影響が無い事が分かってもらえると思います。身体全体の免疫細胞の内、何%が腸内にいると思いますか?答えは70%。そりゃあ腸内環境を整えてあげないと免疫細胞がどんどん減って身体の免疫力も下がってしまうのは目に見えていますよね。
僕は食べるのが大好きです。本当に大好きです。だから生きている。僕たち人間だって食事をしないと生きていけないんです。腸内細菌もそれは同じなんですよ。今までちゃんとした食事で育ってきた腸内細菌は、食物繊維という食事が入って来なければ生きていけず、ほぼ全滅しちゃうのです。
炭水化物は糖質と食物繊維で出来ているので、炭水化物を摂らないとなると食物繊維も摂らない事になってしまいます。そしてMEC食では野菜もビタミン・ミネラルを補う為に適度に摂るだけなので、炭水化物からも野菜からも食物繊維が摂れないんですね。
腸内環境を良くしてくれる菌の食事になるのが食物繊維です。そして食物繊維が不足しても太るのです。詳しく知りたい方はこちらの記事を是非読んでみて下さい。
よく噛むのはバランスの良い食事でも出来る
僕は食べるのが大好きだとお伝えしましたが、バランス良く食べるのが一番好きです。まぁ、優柔不断なんですよね(笑)もちろん大好きなものを沢山食べるのも好きですが、あれもこれもと沢山食べるのが好きなんです。だからMEC食だと3つしか食べられなくなるのが非常に非常に残念です。
それにバランス良く色んなものを食べてもMEC食ポイント1の「よく噛む」はクリアされるんですよ。なぜなら、食物繊維の多く含まれる食材は歯ごたえのある食べ物が多いから。下に箇条書きでリスト化してみました。例えで書いた食材たちを見てもらうと分かると思います。
- 野菜類 大根・レンコン・ごぼう・かぼちゃ・人参・キャベツ・白菜 等
- 穀類 米・小麦粉・ライ麦・玄米・胚芽米・麦飯・トウモロコシ 等
- 豆類 大豆・うずら豆・あずき・納豆・おから 等
- キノコ類 きくらげ・しいたけ・しめじ・えのき 等
- いも及びでん粉類 サツマイモ・里芋・こんにゃく 等
- 果物 アボカド・バナナ・りんご・みかん・ぶどう 等
- 海藻類 ひじき・わかめ・昆布・のり 等
一度崩れてしまった腸内環境は、また長い年月を掛けて細菌を育ててあげないと元には戻りません。なので、MEC食最大の特徴をクリア出来るのならバランスの良い食事を心掛けて、腸内環境を整えて腸内細菌を増やしてあげた方が良いと思いませんか?
腸を整えるとどんな幸せな事があるのかは下の記事を読んでみて下さい。幸せピーポーまっしぐらですよ!
まとめ
MEC食について
- MEC食は何を食べても良いのは本当だった
- ただし、ベース量を食べてからの話
- そして一口最低30回は噛む事
- 噛む事で満腹中枢を働かせる
- 糖質より脂質を摂る事で長期的にエネルギーを得られる
- 結果的に糖質ダイエットと同じ状態になる
落とし穴
- 糖質を摂らないと筋肉と脂肪で補おうとする
- 筋肉が落ちるから基礎代謝が落ちる
- 糖質はコントロールが大切
- 食物繊維の摂取量が少ない
- 食物繊維が無いと腸内環境が整わない
- 今までいた腸内細菌がほぼ全滅して、免疫力が下がる
- 食物繊維も大切
- 食物繊維があればよく噛む事は出来る
友人から教えてもらったMEC食。身体に必要な栄養の事を考えたらお肉と脂肪を摂る事は大切なので悪い事ではないのですが、こんな落とし穴があったのには驚きました。
何事もそうだと思うのですが、バランスが大事ですよね。やり過ぎは禁物。ほどほどが適量であると、今回MEC食を調べていて本当にそう思いました。
自分の体調や身体に合う合わないがあると思うので一概にこれが良い、悪いとは言えないですが、MEC食は糖質のコントロールと食物繊維の摂取に気をつけていれば、三大栄養素の内の2つを摂る方法ですから身体には良いのかもしれません。度を過ぎなければ。
僕の友人の場合はだいぶふくよかな体型だったので、MEC食を取り入れた事で摂取カロリーが抑えられ、体重が落ちたのだと思います。
でもやり過ぎると太りやすい身体になっていくので、それは友人にちゃんと伝えてみました。そしたら友人は「そんな盲点があったんだね。調べてくれてありがとう。また太るのは嫌だもんなぁ。程ほどにしておくよ」って。伝えて良かった。
最後にこれだけはお伝えしたいのですが、決してMEC食を否定しようとしている訳ではないですからね!食物繊維や糖質の大切さもお伝えしたかったのです。どうか伝わりますように…。
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