いきなりですが皆さんは毎日お通じがちゃんと出ているでしょうか。1日3食きちんと食べていてもなかなか出ないときはありませんか。気づけば何日も出ていなくてお腹が張って苦しいということもあると思います。
ただの便秘と思われがちですが実は石みたいなカチコチ便になることもあり、きちんと対処しないと恐ろしいことになるかもしれません。固い便を解消し、快便になる方法を詳しく紹介したいと思います。
排便の仕組み
食べたものは胃や腸を通って栄養や水分などを消化吸収して、体の中で不要になったものが約12〜72時間後に便として体外に排出されます。
便が溜まると脳へ便を出す信号が送られ、食事や運動などで刺激を受けた腸が活発に動くことで肛門まで送り出してくれることにより便意を感じることができるのです。
便は健康状態を知るためのバロメーターと言われていますが、理想は黄色味がかった茶色のバナナ状のもので匂いはそんなにきつくないものが良いとされています。
便秘とは
一般的に3日以上排便がないもしくは毎日排便があっても残っている感じがすることを指します。年齢とともに便秘に悩まされる人は増えますが、男性よりも女性の方が多い傾向にあります。
種類としては『機能性便秘』と『器質性便秘』の2種類に分けられ、機能性便秘の中には弛緩性便秘・けいれん性便秘・直腸性便秘の3つに分けられます。
機能性便秘とは
胃や腸の働きが低下して起こる便秘のことで、一般的な便秘と言われるものです。
①弛緩性便秘
大腸の動きが弱くなったり筋肉の低下により腸の中に便が長時間残ってしまい、水分が多く吸収されることで硬くなります。便秘の中でも特に多いとされています。
②けいれん性便秘
自律神経の乱れにより腸が引きつることで便が通りにくくなることで、ウサギの便のようなコロコロ便になります。下痢と便秘を交互に繰り返すことも多いといわれています。過敏性腸症候群やストレスを抱えている人に多く見られます。
③直腸性便秘
肛門まで便が来ていても便意を感じることが出来ずに、溜まっていくことを言います。寝たきりの人や便を我慢している人に多く見られます。
器質性便秘とは
便で腸が詰まってしまう腸閉塞であったり、がんや手術後の方など様々な原因によって通過障害が起こることをいいます。
便秘になるとどうなるの?
便がお腹の中に溜まり続けることでニキビやツヤがなくなる等のトラブルが起こり、ターンオーバーがうまく機能しなくなることで傷の治りが悪くなります。また、便が腐敗することでアンモニアなどの有害物質が全身に回ることも肌トラブルを引き起こす要因となっています。
便秘になっても食欲があればお腹が空けば食事をとるためどんどん腸の中に便が溜まり、肛門の近くにある便はカチカチに硬くなり蓋をしてしまうか、コロコロしたものが2~3個くらいしか出なくなります。
悪玉菌が腐敗する際にガス(おなら)が発生し便が出せないことによりお腹が張ると言われており、起きているときに腸は活発に動き便やガスを出そうとするため腹痛が出て来ます。お腹の張りが続くと他の臓器が圧迫されることで、食欲がなくなる・吐き気を感じる・腰が痛いという人もいます。
痛みの程度は人によって様々ですが、腸の通りがガンやパーキンソン病などのさまざまな原因で狭くなったり塞がってしまっている事もあるので便秘で腹痛がどんどん強くなることがあれば病院の受診お勧めします。また、無理やり出そうとして力んだりすると痔や脱肛になると言われています。
このような悪循環になることでイライラしたり塞ぎ込んでしまい、自律神経の乱れを招く可能性があります。
固い便、便秘になりやすのはこんな人!
- 昼夜逆転など不規則な生活をしている
- ダイエットをしていて絶食などの極端な食生活をしている
- 運動不足→体を動かさないことで腸の動きが弱まるため
- 便意を感じても我慢している
- ストレスを溜め込みやすい
- 妊娠中→赤ちゃんがお腹の中で成長していくことで、子宮が腸を圧迫するため
- 高齢者→加齢により筋肉の量が減ることで、便を出すための腸の動きが弱まるため
- 食物繊維や水分が不足している
治療・改善・予防方法
①薬(内服)を使う
種類は大きく分けて『緩下剤』と『刺激性下剤』の2種類です。
緩下剤とは薬を飲んで効果が出てくるまでに2~3時間程かかるタイプのお薬のことを指します。腸で水分が吸収されるのを抑えるため、便の中の水分量が増えることで柔らかくなります。 例えば『酸化マグネシウム』『マグミット』などが挙げられます。
刺激性下剤とは超強力で習慣的に使用すると効果が弱まってくるタイプのお薬のことで、効果が出てくるまでに約8時間ほどかかると言われています。腸の動きを活発にすることで便を出そうとする作用があります。例えば『センナ』『プルゼニド』『大建中湯』『ラキソベロン』などが挙げられます。
※ドラッグストアなどで手軽に購入できるものもありますが、普段飲んでいるお薬との飲み合わせや不安なことがあれば病院を受診し医師と相談しながら下剤の使用をすることをお勧めします。
②薬を飲んでも効かない場合の最終手段で浣腸をする
肛門からグリセリン液を注入して腸を刺激して滑りを良くすることで便を出しやすくするものです。固くなってしまった便にも高い効果があると言われていますが、直腸(肛門の近く)までしか届かないためその奥に便があると使用しない方が良いでしょう。
より効果を高めるために注入後は5分ほど待ち強い便意を感じるまで待ちましょう。 ※浣腸する際にはできれば左を下にして寝た状態で行ってください。立ったままでの注入は腸に穴が空いてしまったり粘膜を傷つけてしまう可能性があります。
③マッサージ
腸の流れは正面をむいた状態でひらがなの『の』と同じ走行をしています。やさしく手で『の』を描くようにマッサージをすることにより血流が良くなり、腸の動きを促すことで便秘が改善できると言われています。特に入浴中に行うことでより高い効果があることが期待できます。
③生活習慣の改善
食物繊維や水分をきちんと取りバランスのとれた食生活を行うことに加え、ヨーグルトなどの乳製品や発酵食品を取り入れることで予防ができると言われています。
トイレは落ち着いてできるような環境を整えて、便意を感じたら我慢をしない。また、朝ご飯を食べた後はお腹の動きが活発になりやすいので便意を感じなくてもトイレに座ってみる習慣をつけることが重要と言われています。
便意を感じたら、『考える人のポーズ』が良いとされており前かがみになってお腹に力をいれるとスムーズに排便がしやすいと言われています。ウォシュレット機能付きのトイレがあれば、弱い水流で短い時間肛門を刺激することで便意を催すことができます。
あとは7〜8時間の十分な睡眠をとり、ストレスを溜めない生活をしましょう。
やってはいけない方法
思いっきり力むと、血圧が急激に高くなり動脈硬化を指摘されている人は脳出血や心筋梗塞などの命に関わる恐ろしい病気につながると言われています。またCOPD(慢性閉塞性肺疾患)と言われている人も呼吸が抑制されることで酸素が減ってしまい死に至ることもあります。
自分で指を入れて便を掻き出す方法も、腸に穴が開く原因となるため自己判断では行わずまずは病院の受診をしましょう。
まとめ
・規則正しい生活をする
・症状が強い時は病院を受診する(自己判断だけで済まさない)
・日常生活を快適にするために、排便コントロールをしましょう
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