



皆さんはどういうときに幸せを感じますか?日常の些細なことでも人それぞれに幸せを感じることがあると思います。実はその幸せを感じる時にはホルモンが関わっているのをご存知でしたか?今回は幸せホルモンの一つと言われているセロトニンの役割について詳しく紹介していきます。
ホルモンって一体どんなもの?
消化・血圧コントロール・尿の量など体の中で起こる様々な機能を常に同じ働きになるよう調整する役割をもっています。
ホルモンは脳・甲状腺・腎臓・生殖器などから分泌されていて、その量は全てで約100種類ほどあり少しの量で全身の調整ができると言われています。多すぎたり少なくなると分泌されている部分の病気になる可能性があります。
セロトニンってなに?
神経伝達物質の一つで脳の視床下部や大脳、胃腸などの消化管から分泌され感情・気分・睡眠・食欲などをコントロールする働きがあります。
セロトニンの分泌が低下すると、精神的な面ではうつ症状・攻撃的になる・パニック障害などを引き起こし身体的な面では体温調節がうまくできない、便秘になるなどの症状が出てきます。
ずっと起きていたらセロトニンの分泌がされているのであれば低下することは無いのではと思われがちですが、適度な睡眠や休憩を取らないとストレスが蓄積しセロトニンの分泌はされていても分泌量自体が少なくなり結果的に上記に挙げられるような不調を招くことになります。
幸せホルモンは他にも種類がある!
オキシトシン
脳にある下垂体の後ろから出ているホルモンで、ストレスを減らす・安心感を高めることができる・人との関わりをうまく調整することができると言われています。また『お母さんホルモン』という別名があり母乳を出したり、出産をする時の子宮を収縮させる役割もあり、陣痛促進剤にも使用されています。
オキシトシンの分泌を増やすために一番重要なことはスキンシップと言われています。家族や恋人と手を繋いだり抱き合う・友人達と食事をする・人に料理を作る・犬と触れ合う・感情を素直に出す行為が効果的で、オキシトシンは分泌を増やした分だけどんどん増える特徴を持っています。
ドーパミン




脳の中脳という部分から分泌されているもので、物事に対する意欲が湧き幸福感を高めることができるため『やる気スイッチ』とも言われています。
増やす方法としては、小さな目標をより多く達成する・セロトニンと同様でウォーキングをする・アミノ酸の1種であるチロシンを摂取する・たくさん笑うことが挙げられます。チロシンはチーズ・鰹節・納豆に多く含まれています。
このドーパミンが低下することで、パーキンソン病を発症しやすいことがわかってきています。逆に増えすぎると、興奮しすぎて軽い痙攣や口から泡を吹き出すこともあると言われています。
どうやったら増やせるの?
食事
必須アミノ酸の一部でありトリプトファンの摂取が重要と言われていますが、体内では作られないため食事から摂取しなければいけません。
トリプトファンを多く含む食べ物はバナナ・卵・牛乳・チーズ・納豆などの大豆食品・お米があり、セロトニンを大量に作るためにビタミンB6を含む食品を合わせて摂取することが推奨されています。
ビタミンB6を多く含む食品はかつおなどの赤身魚・バナナ・さつまいも・ささみやレバーなどの脂が少ない肉類・玄米・パプリカがあります。
1日の摂取量としては、トリプトファン→体重1kgに対して2mgとなっているため50kgの人はおおよそ100mgが必要になります。ビタミンB6→男性は1.4mgで女性は1.2mgとなっています。
共通している食材として、『バナナ』がありセロトニンを増やすためのスーパーフードと言えます。ただし、食べ過ぎると高カリウム血症や尿管結石になる可能性があるため1日2~3本程度にすると良いでしょう。腎臓や心臓が悪い人はあらかじめ主治医へ相談してから食べ始めてくださいね。




運動
効果的と言われているのが、水泳などの有酸素運動です。しっかり運動する時間がなくても階段を使うなど身近な所で少しずつ体を動かすことも良いとされています。
意外なこととして挙げられるのが食事の際の咀嚼があり、よくスポーツ選手が試合中にガムを噛んでいるのもストレスを軽減して試合に集中できるようにという意味もあるそうです。
日光を浴びる
近年の様々な研究で1日20~30分程度太陽の光を浴びることで網膜が刺激され、セロトニンが体の中でたくさん作られるようになるという結果もあります。しかし現代の日本人は室内に籠もりがちになっているため、日光を浴びる量が少ないためセロトニン不足が指摘されています。
すぐにできる習慣として朝起きたらカーテンを開け朝日を浴びたり、天気が良い日は外を散歩したり窓際でゴロゴロするのも効果的と言われています。
日光を浴びるともう一つ良いことがあります。それはビタミンDが体の中で大量に作られることで骨が強くなる作用があり、骨粗鬆症を防ぐことができると言われています。高齢や閉経後女性の方エストロゲンというホルモン低下に伴い骨折しやすくなるため積極的な日光浴が推奨されています。




睡眠
1日7~8時間の睡眠時間を確保することがWHOなどで推奨されています。しかし仕事や家事などにより推奨睡眠時間の半分ほどしか取れていない人がほとんどという研究結果もあるくらい睡眠不足が最近問題視されています。
セロトニンはメラトニンという睡眠の質を上げるための材料の一部にもなっているため、マッサージをしたり寝室でリラックスできる環境を整えるなどの工夫を行い睡眠時間を増やすことも重要です。




注意したいのが、早めにベッドに入っても暗闇でスマホをいじることです。スマホから出るブルーライトの影響で、メラトニンの作られる量が少なくなり結果的に睡眠の質が落ちるため寝不足になり疲れがなかなか取れなくなる悪循環に陥る可能性があります。
寝室にスマホを持ち込まない、もしくは操作しないとルールを決めるのも良いかもしれません。
ツボを押す
完骨という耳の後ろにあるへこんでいる部分を押すことで、セロトニンの分泌が増えると言われています。
ツボ押し=痛いイメージがあると思いますが、指の腹で押して『痛気持ち良い』くらいが丁度良いとされています。
もっとセロトニンを増やそうと思ったら、オススメの方法が入浴しながらのツボ押しです。37~40℃のぬるめのお湯でゆっくり半身浴をしながらツボを押すことでリラックスができ、おまけにセロトニンも増やすことができます
引用: 管理栄養士 圓尾和紀
まとめ
- 規則正しい生活をすることが重要
- バナナはセロトニンを増やすためのスーパーフードだった
- 日光浴をするとセロトニンが増えるだけでなく、骨も強くなる
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